世界遺産の土楼群 2. 初渓(しょけい)土楼群
川沿いに土楼が連なる初渓土楼群。左3つが円楼で右が方楼となっている
集慶楼の屋根屋根
ランドマークである集慶楼(しゅうけいろう)は1403~1424年の永楽年間に建設された最古級の土楼で、中心に祖廟を配した二重の同心円からなる。内円1階建て、外円4階建てで、外円の直径は66mに及び、初渓最大を誇る。外円の各階には56の部屋が設置されているが、現在人は住んでいない。
初渓土楼群でもっとも新しい善慶楼
この他に方楼の縄慶楼、錫慶楼、藩慶楼、円楼の餘慶楼、善慶楼などがある。
世界遺産の土楼群 3. 高北(こうほく)土楼群
生活感あふれる4階建ての方楼・世澤楼。隣の承啓楼、五雲楼とあわせ、タバコで財を成した江氏の土楼だ
承啓楼、最内部の回廊
「土楼王」と呼ばれる承啓楼は江氏が1709年に建設した巨大な土楼で、祖廟を中心とした四重の同心円からなり、外円は直径63mに及ぶ。迷路のような土楼内には約400の部屋があり、学校まで備わっている。最盛期には約800人、現在でも約300人がここで暮らしている。上階から眺めるバームクーヘンの断面のような景観は見る者を圧倒する。
他に世澤楼、五雲楼などがあり、深遠楼は直径70mで高北土楼群最大を誇り、五角楼は五角形のユニークな構造を見せる。
世界遺産の土楼群 4. 南渓(なんけい)土楼群
苔むした祖廟が美しい南渓土楼群の衍香楼。この円楼には140近い部屋があり、いまだ約100人が暮らしている
南渓の川沿いに建つ振福楼。振成楼と似ていることから姉妹楼とも呼ばれる (C) Zhangzhugang
1842年に完成した衍香楼は直径40mの円楼で、内部の祖廟が方形をしており、円と四角形のコントラストがおもしろい。直径42mの振福楼は1913年の竣工で、花崗岩の列柱をはじめ西洋建築との融合が見られる。
南渓土楼群には他に環極楼などの土楼があるほか、近郊の実佳村には南渓一帯が見下ろせる展望台がある。