世界遺産の土楼群 5. 田螺坑(でんらこう)土楼群

田螺坑土楼群

「四菜一湯」と呼ばれる田螺坑土楼群の5楼。上部の楕円楼が文昌楼、方楼が歩雲楼、手前が和昌楼、左が瑞雲楼で右が振昌楼

瑞雲楼

瑞雲楼。1階に窓がないのがわかる

永定土楼民俗文化村の南東約12km、ショウ州市南靖県にある土楼群。1棟の方楼を中心に4棟の円楼が連なっており、これが料理の配置に見えることから四菜一湯(一汁四菜)と呼ばれている。この5棟が世界遺産に登録されている。

もっとも長い歴史を持つのが方形の歩雲楼(ほうんろう)で、1662~1672年の康煕年間に建てられたが、1936年に放火により和昌楼(わしょうろう)とともに焼失し、1953年に再建された。ユニークなのが1966年に建てられた文昌楼(ぶんしょうろう)で、極端な楕円形をしている。

展望台が隣接しており、四菜一湯を含む見事な景観を望むことができる。

 

世界遺産の土楼群 6. 河坑(かこう)土楼群

河坑土楼群の美しい文化的景観

大自然に囲まれた河坑土楼群の美しい文化的景観。裕昌楼は少し離れた南靖県書洋鎮下坂村にある (C) Zhangzhugang

ジグザグに揺れる裕昌楼の柱

ジグザグに揺れる裕昌楼の柱

永定土楼民俗文化村の東約8km、ショウ州市南靖県にある土楼群で、13棟が世界遺産に登録されている。

特にユニークなのが直径54m、5階建ての巨大な円楼・裕昌楼だ。伝説では元代にあたる1308年の建設とされており、事実なら福建省でも最古の土楼になるが確証はない。異様なのが円楼を支える柱で、その多くが垂直に立っておらず、左右にゆがんだまま固定されている。大工が曲がったまま建設し、そのまま逃亡したと伝えられているが、こちらの詳細も不明だ。

河坑土楼群には他に永盛楼、縄慶楼、永貴楼、陽照楼、春貴楼、永慶楼などの土楼がある。

 

世界遺産の土楼群 7. その他の土楼

和貴楼

田畑との調和が美しい和貴楼。田螺坑土楼群や河坑土楼群に近いので、これらを訪ねる際についでに立ち寄ろう

これまで紹介した6土楼群以外で世界遺産に登録されている1群2棟を紹介しよう。

■大地(だいち)土楼群
永定土楼民俗文化村の北東約80km、ショウ州市華安県にある土楼群で、3棟が世界遺産に登録されている。ハイライトは1740年から30年かけて造られた二宜楼(にぎろう)で、直径73mは福建の土楼でも最大規模を誇る。外壁の厚さは下部で2.5mにもなり、二重円楼に213室を備えている。内部装飾が美しいことでも知られ、226の壁画、228の絵画、349の彫刻などが楽しめる。

■懐遠楼(かいえんろう)
永定土楼民俗文化村の東約12km、ショウ州市南靖県梅林鎮坎下村にある土楼で、田螺坑土楼群や河坑土楼群からほど近い。1905~1909年の建設で、直径38m、祖廟を中心とした二重の円楼からなる。こちらも土台の石が非常にしっかりしている。

■和貴楼(わきろう)
永定土楼民俗文化村の東約12km、ショウ州市南靖県梅林鎮長教村にある土楼で、懐遠楼が近い。1732年に建設された5階建ての方楼で、高さ22mを誇る。田畑と沼沢に囲まれた美しい環境とスマートなたたずまいから天下第一楼の異名を持つ。