白金台エリアの将来性

南の眺望

南の眺望

過去記事「大通り沿いのマンションの将来性」で幹線道路沿いの環境改善について触れた。そこでは山手通りを例に取り上げたが、目黒通りも同類であろう。例えば慢性的に込み合った「日吉坂上」信号の右折車線やそれに伴う直進車線への進路変更の集中には随分辟易としたものだが、今ではそんな心配は無用。歩道も広く整備され、電柱電線も地下に埋設。道並みは劇的にと言っていいくらい、良くなった。

そもそも当該エリアは、品川にほど近い。前述の「日吉坂」を下り、明治学院大学の脇を抜ければ、高輪エリアである。道路整備によりその近さをこれまで以上に実感できるはずだ。このロケーション的優位性はリニア中央新幹線開通後、存分に享受することになるだろう。

さらに、東京五輪2020の波及効果ともいえる「外苑西通りの品川延伸」にも期待感が高まる。首都高湾岸線までの延長はまだまだ構想の段階だそうだが、もし実現すれば、なお一層世間の注目を集めるだろう。いずれにしても「都心有数の利便向上ゾーン」であることに違いはない。

南眺望の開放感と庭園の借景

眼下に広がる八芳園の緑

眼下に広がる八芳園の緑

今回取材したマンションは、白金台の中でも希少性のある立地条件を有した高級マンション「白金台フロント」である。2002年竣工、アーキサイトメビウス設計。総戸数はわずか21戸だが、専有面積100m2超の広さを有し、両面バルコニーでPP分離を叶えたプランで構成されている。

立地の希少性とは、南側に開けた眺望、さらには南隣接地が「八芳園」でその優雅な日本庭園が借景になるという恵まれたポジションに他ならない。画像は上から順に、住戸内玄関からリビング方向を見た瞬間の風景、次に眼下に広がる緑の借景。建物のエントランスからはおよそ想像できない光景である。

優れた設計をさらに生かしたリフォームプラン

優れた空間設計を生かしたリフォーム

優れた空間設計を生かしたリフォーム

高級マンションの実績が数多いことで知られるアーキサイトメビウスらしさは随所に見ることができる。例えば採用頻度の高い乳白色のライムストーン。その独特の柔らかく重厚な雰囲気はエントランスホールで十分堪能できるが、住戸内リビングでもニッチの台座などにも使われ、自然石ならではの風合いを身近に楽しむことができるだろう。

今回のリフォームはその良さをさらに引き延ばす空間設計(カガミデザインリフォーム)が見どころ。例えば、リビングダイニングの画像をご覧いただこう。

シンメトリに配された片開きの窓下に、キッチンカウンターの高さに揃えた棚板(大理石)を渡した。折り上げ天井には間接照明を加え、さらにはダイニングスペース上部に照明を埋め込んだ色違いの下り天井をあえて設ける。家具が置きやすく、すっきりと落ち着いた空間に仕上げることがより容易になった。

床はカーペットからフローリングに変更。バルコニーにもウッドデッキを敷き詰めた。これにより、空間の広がりが増したと同時に眺望がより一層引き立つ空間に仕上がっている。今一度上から順に画像をご覧いただくと良いだろう。それ以外の主な改善ポイントは、クローズだったキッチンをオープンに、リビングダイニングとキッチンの境界にあたる床部分は廊下と同系タイルに替えている。

バルコニーに「ガラス手摺り」が普及したのはいつ頃からか。プライバシー性を高める、洗濯物を隠すといった実用性が優先された価値観ではあまり推奨されなかなった手法だろう。だが高層化が進み、眺望価値、外観の重要性が浸透すると景観的にも優れたアイデアとして広がっている。そうなれば、家具のレイアウトや暮らし方にも影響を及ぼすのではないか。物件の魅力を最大限引き出す最後の仕上げは住む人にかかっている。

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