●余談ですが、「次亜塩素酸」は、「次亜塩素酸イオン」に比べ、殺菌作用が数倍から数十倍と高い傾向があります。そこで最近では、「次亜塩素酸ナトリウム」に希硫酸などを加えてpH6程度に調整することで、殺菌作用を増強した商品が市販されるようになっています。「次亜塩素酸ナトリウム」に比べて安全性を謳われることも多い商品ですが、危険性と保存性において、注意が必要です。
また塩化ナトリウム水溶液を電気分解することで得られるという「次亜塩素酸水」という水溶液も登場し、主に工場などでの食品の消毒に使われています。「次亜塩素酸ナトリウム(水溶液)」と名前は似ていますがこちらは酸性を示し、非なるものですが、有効成分は「次亜塩素酸」なので、効果としては「次亜塩素酸ナトリウム」とよく似ています。
(参考資料:次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性 に関する資料/厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0819-8k.pdf)
じっさい「次亜塩素酸ナトリウム」は先述したように、基本的に「強アルカリ性」を示すものです。そのため、タンパク質を溶かし、皮膚に付着すると炎症を起こしたり、とくに粘膜につくと強い刺激を生じたりします。目、鼻、口などに絶対に触れないよう注意して使用する必要があるということです。「塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)」を使用する際の注意として、「メガネ」、「マスク」、「ゴム手袋」等の装着が必須である所以です。
「塩素ガス」発生は危険
「次亜塩素酸ナトリウム」と「レモン(酸)」は一緒にしないで!
「塩素ガス」が発生すると、咽喉や気管支の痛みを感じたり、激しい咳や嘔吐が起こることがあります。浴室掃除などで、誤って混ぜた(実際には、掃除の作業で連続してカビ取り剤と湯垢取り洗剤を使用するなど)ことによる死者も発生しているので、くれぐれも注意して下さい。使用の際には換気を怠らず、使用量は最小にとどめるようにしましょう。
「塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)」の具体的な使用方法ついては、応用編でご説明します。
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