単数と複数は大問題
フランス語で「私は~が好きです」という文を作るには、J'aime(ジェム)の後に名詞もしくは、動詞の原形をつけます。その際に、J'aime voyager.(ジェム ヴォワイヤジェ/私は旅行をすることが好きです。)のように、動詞を用いる場合には通常大きな間違いはないのですが、後ろに名詞がくる場合には色々な間違いが見られます。例えば「犬が好きです」という場合には、chien(シアン/犬)という単語を辞書で引いて、そのまま冠詞なしでJ'aime chienとしてしまったり、英語でいうところのtheにあたる定冠詞(le, la, les)を正しくつけている場合でもJ'aime le chien.と単数形にしてしまったりする間違いが見られます。英語でもI love dogs.となるように、この場合は犬が可算名詞(数えられる名詞)であるので、J'aime les chiens.(ジェム レ シアン)と名詞を複数形にするのが正解です。
「魚が好き」は要注意!
同じ「好き」でも表現方法が異なる
それでは、「魚が好き」はどうでしょうか?「魚」は英語では単複同形の特殊な名詞ですが、フランス語では単数形でpoisson(ポワソン)、複数形はpoissons(ポワソン)と語尾に-sをつけてつくります。さらに、J'aime le poisson.(ジェム ル ポワソン)、J'aime les poissons.(ジェム レ ポワソン)と2種類の言い方が可能です。ただし、前者のように単数形を用いる場合は「食べ物としての魚」、後者のように複数形である場合には観賞用などの「食べ物としてではない魚」が好きであるという意味になります。音声にすると冠詞のle(ル)とles(レ)という一音だけの違いですが、伝達内容は異なりますので注意が必要です。筆記テストなどの場合は、冠詞の部分をカッコでぬかれることが多いので、後ろの名詞との性数の一致に気をつけて正解を選んでください。
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