四川/四川の基礎情報

火鍋発祥の地!重慶へ行こう(2ページ目)

1997年に政府直轄都市に制定され、四川省から切り離された重慶。中国西南地区最大の商工業都市であり、中国で一番人口が多い街でもあります。歴史をたどれば、重慶は成都と肩を並べる四川文化圏の二大都市。重慶市内・郊外の見どころと合わせて、アクセスや治安のほか、豊富で刺激的な重慶料理も紹介していきます。

中川 正道

執筆者:中川 正道

四川ガイド


火鍋発祥の地で火鍋を食べる

火鍋の発祥は重慶。中華民国初期(20世紀初頭)、当時のお金持ちは動物の内臓は食べずに捨てていました。 重慶の波止場で働いている労働者たちは、そんな捨てられた内臓を拾い、食べてみようと試みます。内臓をきれいに洗い、 匂いをとるため、唐辛子、花椒、ニンニク、 生姜等の香辛料をたっぷり入れ煮むと……予想を超えて美味しい!そうやって次第に火鍋は食べられるようになったと言われています。

重慶について驚いたのが、火鍋屋の多さ。歩道にテーブルを出し、昼間から火鍋を食べる人もちらほら。夜になれば、沢山の人が真っ赤な火鍋をつついています。
重慶の火鍋

重慶の火鍋

こちらの火鍋は友人に連れて行ってもらった現地の方に人気の火鍋屋。自分好みで油蝶(ヨウディエ)というつけダレを作れるのが特徴です。

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■大隊長火鍋(龍湖店)
住所:重慶渝北区龍渓鎮松石支路311号(辺防総隊旁)
魚の火鍋

魚の火鍋


火鍋と聞くと所謂、真っ赤な激辛な鍋、又は白と赤いスープが半分づつ分かれている鴛鴦(ユェンヤン)鍋をイメージしますが、嘉陵江と長江がある重慶では魚の鍋もおすすめです。

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■順水魚館(加州店)
住所:加州城市花園4棟1層(加州城市花園大門旁)

重慶の麻辣湯、成都の串串香

重慶名物の麻辣湯

重慶名物の麻辣湯

火鍋が有名な重慶ですが、火鍋よりもっと軽く食べられのが、麻辣湯(マーラータン)という料理。好きな具材を選び、激辛のスープで煮込み、味付けして、ごはんやビールと一緒に食べます。一人でも気楽に食べられるので、重慶では小火鍋とも言われているようです。

おもしろいことに成都でも似たような料理がいくつかあります。例えば、串に刺された具材の中から好きなものを選び、激辛のスープで煮込む料理を成都では串串香(チョワンチョワンシャン)と言います。味付けなど基本的に重慶の麻辣湯と同じです。ただ成都では麻辣湯は見たことありません。

成都は三国時代から蜀と称された古い都。対して重慶は巴と称されていました。そのため、四川省一帯は巴蜀と呼ばれていました。昔から蜀は文化尚文(学問、文学を重んじる)、巴は文化尚武(武を重んじる)という文化の違いがありました。そんな歴史のためか、今でも成都と重慶はライバル関係です。

日本でいう東京と大阪の関係のような感じですね。

重慶市民が愛する重慶小面とは

以前、重慶出身の同僚に「重慶に行くなら、酸辣粉と重慶小面は絶対に食べてほしい!」と言われたことがあります。
シンプルな典型的な重慶小面

シンプルな典型的な重慶小面

重慶小面とは、狭義で言えば、麺に少量の野菜を入れたシンプルな麺。広義でいえば、重慶で食べる麺、すべてを重慶小面と言うようです。重慶人にとって「重慶小面」と「火鍋」は並々ならぬこだわりがあり、毎年、地元の新聞社と有志が議論し、50強(ベスト50)を選出して、新聞に掲載するといったイベント(or キャンペーン)を行っています。
碗雑面

重慶市万州の名物、碗雑面


重慶前5強(重慶ベスト5)という重慶市万州の名物「碗雑面(ワンザーメェン)」を食べましたが、あまりにもおいしく二日連続で食べてしまいました。麺の上にかかっているのは雑醤面のひき肉と柔らかく煮た碗豆。しっかりかき混ぜて食べると雑醤と碗豆が絡み濃厚な味に。麺にコシもあり、非常に美味しい麺でした(12元)。

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■花市豌雑面
住所:青年路77号万豪酒店写字楼対面(総店)

よだれ鶏の元は重慶の白石欠鶏

重慶レストランの看板でよく見るのが、「江湖菜(ジャンフーツァイ)」という言葉。重慶人に聞くとこれは民間の重慶料理の総称とのこと。
口水鶏

重慶の市場で売られている口水鶏

日本の四川料理屋の前菜でよく見かける口水鶏(コウシュイジー)という料理。日本語で直訳すると「よだれ鶏」です。口水鶏は昔の料理本には掲載されていましたが、実は成都で食べたことはありませんでした。

重慶の市場を散策していた際、ラー油に浸ったおいしそうな料理を発見し、「これは何ですか?」と聞くと「これは白石欠鶏(バイカンジー)」とのこと。調べてみると、この白石欠鶏という料理が口水鶏の基となった料理ということがわかりました。
口水鶏

本場の口水鶏

口水鶏という名前は、今は亡き四川出身の政治家・郭沫若氏のエピソードに由来します。少年時代に四川で食べた白石欠鶏の味が忘れられず、思い出すとよだれが出る…ということから、口水鶏と言わるようになったそうです。

しかし、ここ重慶では今までも白石欠鶏と言われています。見かけたらぜひ食べて見てください。ガイドも同じく、この料理を思いだすとよだれがでてきます。それほど美味しかったですね。

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