「市ヶ谷」という立地

模型

模型

徳川御三家筆頭格ともいえる尾張藩の上屋敷跡地が現在の防衛省(市ヶ谷)である。その妻や子どもといった家族が暮らす中屋敷や別荘用途など別宅として使われた下屋敷に対して、上屋敷は大名当人が滞在する御屋敷として定義されている。濠を南に望む南傾斜の高台が、いかに好適地であったかを示す史実であろう。

防衛省の北側は、都心でも落ち着いた環境の住宅地として知られる。一般的な1丁目、2丁目といった住居表示ではなく、「市谷」の後には「左内町」「鷹匠町」「加賀町」など江戸時代の名残りを思わせる地名が今も展開されている。

「市谷甲良町」もそのひとつ。範囲は南間口約200m、奥行きが約100~150mほど。わずか2街区で構成される。名称の由来は、作事方棟梁「甲良家」があったことからくる。隣接街区には、後の新選組となる土方歳三や沖田総司らが剣術を励んだ「試衛館」があった場所である。

現在「市谷甲良町」の一画では「ザ・パークハウス市谷甲良町」が建設中である。建物は地下1階地上5階建て、総戸数49戸。内廊下設計である。

「ザ・パークハウス市谷甲良町」設計の特徴

モデルルーム

モデルルーム

モデルルーム見どころの一つは南面バルコニー(最上部の模型画像を参照)。壁面を横に貫く単調な連続ではなく、一邸ごとに床がせり出したかのようなコンクリート床は外観としても個性的で、また床面は室内フローリングの模様に似たノンスリップシートを貼り、間隔が大きく開いたアルミ格子には擦りガラスの高さを低く抑えることで、内側からの開放感を高める開口部に仕上がっている。これは共用部のデザイナーとして起用された設計ユニット「末光弘和、末光陽子」両氏の「マンションとしての個性」にこだわったひとつの象徴である。

他にもエントランスアプローチを地下に導き、風除室に隣接した坪庭(ボイド)には撥水加工を施した「花びらをモチーフにした床材」を採り入れ、小雨のときは水滴が花弁を伝うように排水される工夫を凝らした。実際を見てみたい気がする。同階には紀伊国屋書店と提携し、定期的に新刊が届く「ライブラリーラウンジ」も併設する。

「ザ・パークハウス市谷甲良町」は、GWに公式サイトを立ち上げ、累計約1300件の反響が集まっている。モデルルームは7月から公開、現在約300件の来場がある。第1期分譲は9月下旬予定。分譲価格は平均坪単価ベースで約430万円予定。中国経済低迷に端を発する8月下旬からの株式市場の乱高下の影響は「現時点では感じられない」(販売関係者)そうだ。

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