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モンフェス ガチャで詫びるより大事なこと(3ページ目)

2015年8月2日、幕張メッセでmixiが開催したゲームイベント「モンストフェスティバル2015」で、会場収容人数をはるかに超える人が集まり、炎天下の中数時間も待たされたユーザーの中には熱中症で倒れる人もでて大変な騒ぎになりました。その後、mixiはお詫びとして、ゲームで使える有料アイテム配布やレアキャラの当たるガチャを提供すると発表しました。しかし、このお詫びにガイドは強く違和感を感じます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

1番優先されるべきは、繰り返さないこと

スマートフォンでゲームを遊ぶユーザーの図

ゲームも、イベントも、安心して楽しく遊べることが第一です(イラスト 橋本モチチ)

もし、自分の子どもにレアキャラクターが欲しいと言われ、イベントに連れて行ったとしたらどうでしょう。炎天下の中、ずさんなイベント運営で大トラブル。子どもを危険な目にあわせてしまったと連れて行ったことを後悔しているところに、今度はそのお詫びだということでまたガチャをまわして、いいのが出たとか、ハズレだとか言っているわけです。

当人は、レアキャラクターがもらえたからよかったと思うかもしれません。ご両親からすれば、大丈夫だろうかと、ますます心配になりはしませんでしょうか? 危険だとは思わないでしょうか? このゲームの会社はユーザーを大切にしていると思うでしょうか?

あるいはイベントに行けなかった子どもがいたとします。イベントでは多くの人が会場にも入れず、中には倒れてしまった人もいるような危険な状況がありました。しかしそのおかげでイベントにはいかなかったのにアイテムがもらえました、その子がこれをラッキーだ、よかったというように考えていたら、ゲームの世界に毒されているとは思わないでしょうか。よかったよかった、得したね、と一緒に喜べるでしょうか。

ユーザーの中には、自己責任だ、という人もいます。自分の身は自分で守る。ユーザー側の考え方としてはそれでいいとガイドは思います。これだけ危険なことがあったのですから、今後イベントがあったとして、未成年者はいきたがっても保護者がきちんと言ってやめさせた方がいいでしょう。それでもなお「レアキャラクターが…」というようなら、ゲームもやめさせた方がいいかもしれません。

しかし、モンスターストライクはそれでいいんでしょうか、mixiはそれでいいんでしょうか、ゲーム業界はそれでいいんでしょうか。

今回のお詫びは、ユーザーの怒りを和らげるのには、一定の効果があったかもしれません。不利益を被ったユーザーにできることをする、という意味では、間違った選択肢ではないのかもしれません。ユーザーからすれば、貰えないよりは、貰える方がいいという方もたくさんいるのかもしれません。

イベントの集客に限定の何かを配布する、それ自体も大きな問題であるとは考えません。しかし、過剰になればトラブルの元になることがあり、そういった例は他のゲームにも多数あります。大事なのは、これはユーザーの反応が過剰になっている、このままでは問題が起こるという時に、きちんと見直すことではないでしょうか。そして今まさに、そのタイミングであるはずです。

mixiが、ユーザーや、あるいは社会に対して、何をしなければいけないのか。その1番は、繰り返さないことです。その為に最前を尽くして欲しいと思いますし、また、最善を尽くしているということを姿勢で見せて欲しいと思います。

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