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モンフェス ガチャで詫びるより大事なこと(2ページ目)

2015年8月2日、幕張メッセでmixiが開催したゲームイベント「モンストフェスティバル2015」で、会場収容人数をはるかに超える人が集まり、炎天下の中数時間も待たされたユーザーの中には熱中症で倒れる人もでて大変な騒ぎになりました。その後、mixiはお詫びとして、ゲームで使える有料アイテム配布やレアキャラの当たるガチャを提供すると発表しました。しかし、このお詫びにガイドは強く違和感を感じます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

ユーザー全員にオーブとガチャでお詫び

パズドラの図

お詫びにゲーム内の有料データを配布することは、パズドラをはじめとした、多くのゲームで採用されています

mixiはこういった事態のお詫びとして、モンスターストライクのユーザー全員に対し『「オーブ」の配布と★5確定の無料ガチャイベントの実施』を発表しました。オーブというのは、「ガチャ」と呼ばれるくじ引きをひいたり、ゲームのコンテニューをしたりするのに使える有料アイテムで、これを10個配布、ちなみに1個120円、12個まとめて買うと840円という金額です。★5確定の無料ガチャイベントというのは、簡単に言うと必ずレアなキャラクターがあたるくじが1回ひけます、ということです。つまり、有料アイテム10個と、レアキャラクター1体をお詫びにプレゼントしますよ、ということですね。

運営にトラブルがあった時に、こういった有料アイテムを配布することは、スマートフォンのゲームアプリでは珍しくなく、緊急のサーバーメンテナンスなどで遊べない時間ができてしまった場合などに良く行われる手法です。

ユーザーはトラブルがあってもお得な感じがしますし、運営側もアイテムを使ってもらうことで継続的にゲームへの興味を喚起できるということで、本来は両者にメリットのある非常にうまい手法です。

実際今回の件に関しても、現実世界であったイベントのお詫びをゲームの中のアイテムで済ますということに反発を訴えるユーザーもいますが、これで十分という方もいます。また、イベントに参加しなかったユーザーからはアイテムやレアキャラが貰えてラッキーだ、という声も聞こえます。

過剰な集客について反省するべきでは

スマートフォンでゲームをするユーザーの図

ガチャで、キャラクターが出た出ないと熱くなっているところに、入場者全員に限定キャラ配布、とやっているので、人がわーっと集まります。しかし本来は、過剰に集めすぎてトラブルになってはいけないということを常に考えなければいけないのです

しかし、このところにガイドは非常に強い違和感があります。実際に遠くから大勢の人を呼んだイベントで起きたトラブルについて、ゲーム内のデータでお詫びをする、ということ自体にも違和感を感じますが、より強い違和感を感じるのは、それがガチャのイベントであるということです。

そもそも、今回のイベントの1番の問題点はなんでしょうか。多数の人が入場できなかったことでしょうか。確かにそれは大きな問題です。しかしより大きな問題は、イベントの安全性を確保できなかったことではないでしょうか。命にかかわるような大事故が起こってからでは遅いのです。

その理由の1つには、限定キャラクターの配布を強い動機づけにして、無制限に集客してしまったことがあるはずです。キャパシティが足りなかった、という反省の手前に、必要以上にユーザーを煽ると制御不能な大混乱を呼ぶことがある、という反省をするべきではないでしょうか。そしてその根本の構造はガチャです。

売り上げを支えているのはガチャですから、それをやめろとは言いません。しかし、このトラブルのお詫びがガチャで、そこでまたユーザーの意識を、いいキャラが当たったとか、はずれだとか、そういうところへ向けようとするというのは、mixiがこの問題についてどう考えているのか、その姿勢が問われます。
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