第二回公演時、小尻さんは自身の振付作『イキ カエリ』を
発表されています。手応えはいかがでしたか?
小尻>『イキ カエリ』はNoism1のゲストメンバーのときに参加した『水と土の芸術祭』の一環でつくった映像作品をベースにしたものです。新潟の水と土といったら田んぼです! そこから米農家の老夫婦を発想して、ストーリーが生まれました。『水と土の芸術祭』では田んぼや畑で踊ったりしたものを映像編集していましたが、Optoでは劇場バージョンとして、映像なしの改訂新作という形で上演しました。渡辺>前回はケンタ(小尻)のほかに、中村恩恵さん、ヴァツラフ・クネシュさんの小品四作品を上演しました。群馬では、こういう舞台を初めて観たという方も少なくなかったと思います。“一体何だろう?”という感じで観に来てくれて、“何だかわからないけど面白かった”という感想をいただきました。 たぶん、それがスタートポイントになるのではないかと思います。まず観てもらって、何か感じてもらうことが大切だと私は信じています。
前回公演より 小尻健太振付作品『イキ カエリ』
キャストはどのような基準で選んだのでしょう。
小尻>僕たちがヨーロッパでダンスを通じて出会ってきたひとたち、刺激し合える仲間と踊ろうということで声をかけていきました。今回のキャストは全部で8人いて、うち振付家兼ダンサーがひとりと、ミュージシャンがひとり。僕とレイさん、(首藤)泉ちゃんと(湯浅)永麻ちゃんもNDT(ネザーランド・ダンス・シアター)出身で、ミュージシャンのアモス・ベンタールも元はNDTの同僚でした。堀沢悠子ちゃんは山本禮子バレエ団の若手ホープ。”optofile2” にも出演していて、8月には能楽師の津村禮次郎先生と一緒に佐渡と小金井の薪能で『朱鷺』(小尻健太振付作品)を上演しましたが、そちらにも出演してもらいました。マサ(柳本雅寛)はオランダのスカビーノ・バレエとガリリダンスで踊っていて、僕らとはカンパニーも住んでる街も違ったけれど、一緒に語り合った仲。お兄ちゃんみたいな存在で、週末に車でいろいろ連れて行ってくれました。ヨシさん(稲尾芳文)とは、10年前に金森穣さんの呼びかけて行った公演『ノマディック・プロジェクト2[-festival]』に出演したときにお会いしました。本当に気心が知れたひとたちなので、同窓会になってしまわないように気を付けなきゃと思っています(笑)。
渡辺>Optoを始めた当初も今回のメンバーも、ヨーロッパで長年活躍しているダンサーたちに声をかけ、彼らも“自分たちが求めている可能性とクオリティを少しでも伝えられたら”と快く良く集まってくれました。みんなヨーロッパでの活動の中でさまざまな状況を乗り越えてきたメンバーだからこそ、このような舞台がつくり上げられるのだと思います。感覚的にも同じ視点で物事が見え、身体言語も共有できる仲間たちの繋がりを大切に、全力でこの公演に向かっていきたいと思います。
ヴァツラフ・クネシュ作品『REEN』リハーサル風景