三国志ファン必見！張飛ゆかりの地「ラン中」を歩く(2ページ目)

見どころ３　人生をかけて挑んだ試験会場「貢院」

古くからは隋、唐の時代から行われてきた、中国の独特の官僚登用試験「科挙」。その試験会場を貢院（ゴンイン）と言います。歴史を見ると、中国では官僚になると各担当分野の許認可権が与えられ、その権利に人が群がり賄賂が横行。やがて、官僚が腐敗、国が機能しなくなり、民が立ち上がる……。そうしたパターンで国が亡び、新しい王朝ができるということが数多くありました。

自分の地位・名声・権力をすべて手に入れるため、科挙は非常に重要だったわけです。野望と志をもった官僚志望の男たちが死ぬほど勉強して、試験に挑んだ場所が、今でも中国の各都市に残されています。

現存しているのは江南貢院、北京貢院、定州貢院、そして、ラン中にある川北道貢院です。そんな背景を頭に入れ、貢院へ行ってみるのも面白いかもしれませんね。

400年の歴史をもつ黒酢「保寧酢」は健康的

中国の文献を読むと中国には四大酢なるものがあります。特筆すべきはその中で唯一、保寧酢のみ「薬醋（ヤオツゥー）」薬膳酢として扱われていること。

＜中国四大酢＞

• 山西老陳醋（山西省）
• 鎮江香醋（江蘇省）
• 浙江米醋（浙江省）
• 保寧醋（四川省）

成都の小さな麺屋さんなどに行くと必ずおいてあるのが、ユニークな形をした瓶の保寧酢。値段も庶民的な3元という価格、程よい香りとあっさりとした美味しさで、ガイドもついついいつも買ってしまいます。そんな私のような保寧酢ファンも数多く、四川省では非常に愛されています。

ちなみにコカ・コーラが中国を席巻する前の80年初頭の夏、四川省ラン中では、保寧醋に蜂蜜をまぜ、お湯で割った「二号飲料」なる飲料水が流行ったようです。その人気は成都、重慶にまで飛び火し、“以醋水代茶水”（酢が茶の代わりになった）と言われたほど。

そんな逸話も影響したのか、保寧酢は「東方魔醋」と称えられ、体にいい薬醋として今でも多くの人々に愛されています。
ラン中には、瓶に詰められた熟成したほんのり甘い年代ものの酢や、酢専門店の多種多様な酢が購入できます。腐るものでもないので、ぜひたくさんの購入をオススメします！

ラン中で食べる名物麺「熱凉面」

ラン中にはユニークな麺がいくつかあり、ちょっと小腹が空いたなというときにオススメです。
「熱凉面（ラーリャンミェン）」またの名を牛肉面。四川の凉面といえば有名で、夏になると至るところで売られています。凉面はラー油をたっぷり混ぜたピリ辛麺をイメージしますが、ラン中の熱凉面はまったく違います。

トッピングするのはしっかり味を付けた牛肉。麺は一旦、茹でて置きます。そして、牛肉ベースのスープに片栗粉、小麦粉を入れ、トロトロの餡かけ状態にします。その中に麺を入れて、ラン中名物の熱凉面＝牛肉面の完成です。

ラン中で食べる名物麺「羊雑面」「吊湯拉面」

熱凉面の他にも面白い麺が二つあります。

羊の内臓と透き通ったスープに平べったい麺が特徴の「羊雑面（ヤンザーミェン）」。スープに味はほとんどなく、自分で塩、酢を入れて味付けをしていただきます。あっさり系の麺です。

注文後、威勢よく麺をこねて作ってくれる自家製麺「吊湯拉面（ディヤオタンラーミェン）」。小盛からも注文でき、小腹が好いた時に食べるとちょうどいいです。

中国流の古民家、四合院に泊まる

ラン中には昔ながらの四合院に宿泊できるように改装した宿がたくさんあります。ざっと街を歩いて好きな宿を見つけるのもよし、予め予約しておくのもよし。

以前泊まったことがあるオススメの宿は以下になります。国の重要文化財に指定されていましたが、気軽に宿泊できます。

＜DATA＞
■ラン中馬家院客桟
住所： ラン中市双柵子街22号
価格： 100元～

ラン中は麗江古城や鳳凰古城のようにそこまで観光地化されていなく、人も穏やかで、商業的ではありません。今後、有名になりどんどん観光地されていく前にぜひ、行ってみてください！