悦楽のメルボルン街歩き
州議事堂付近からの景色。遠くにロイヤル・エキシビジョン・ビル、手前は馬車、地面のレール上はトラムが走る
普遍的価値を永久に守らなくてはならない世界遺産をこんなに自由に開放してしまっていいのだろうか?
100年以上の歴史を持つ建物が生きているメルボルンの街並み。いたるところにカフェやバーがあり、人々がくつろいでいる
建物だけではない。たとえば、ぜひマクドナルドに入ってコーヒーを飲んでみよう。きっとそのコーヒーの味に驚くに違いない。あちらこちらにあるバーで、昼間からビールを飲んでみよう。エールのおいしさに気づくだろうし、ラガーとエールの差なんてものもすぐにわかるようになるだろう。
レストランに行ったら気軽にワインを注文しよう。気取らず飲むワインがとても楽しいことに気づくだろうし、楽しさに気づいたらすぐにシラーズとピノ・ノワールの差もわかるようになるに違いない。
文化とは生活そのものだ。自然のすばらしさを知り、その恵みを味わい、生そのものを愛しているからこそ、文化も自然も守られる。言葉にするとなんだかややこしくなってしまうのだけれど、メルボルンの街を歩いていればそんなこと、当たり前に思えてくるはずだ。