メルボルンの庭園美と世界唯一の万博ホール

イギリスの権威ある経済誌『エコノミスト』の調査する「世界でもっとも暮らしやすい都市」で、2002年、2004年、2006年に1位を獲得し、文字通り世界一に輝いているオーストラリア、ビクトリア州の州都メルボルン。

この街には、ゴールドラッシュ以降の発展を見守り続け、いまなお人々を癒し続けている愛すべき世界遺産がある。今回はオーストラリアの世界遺産「ロイヤル・エキシビジョン・ビルとカールトン庭園」をご案内しよう。

「ガーデン・シティ」メルボルンの象徴、カールトン庭園

カールトン庭園のサウス・ガーデンから眺めたロイヤル・エキシビジョン・ビル。日曜日にはピクニックをする家族が見られたりする、とてものどかな場所 ©ビクトリア州政府観光局

カールトン庭園のサウスガーデンから眺めたロイヤル・エキシビジョン・ビル。日曜日にはピクニックをする家族が見られたりする、とてものどかな場所 ©ビクトリア州政府観光局

メルボルンっ子たちは世界のどの市民よりも庭園好き。

市内に450前後もあるという庭園から、メルボルンは「ガーデン・シティ」の異名を持つ。トラムに乗って街を巡っていると、人口400万人弱を誇る近代都市とは思えないほどの緑の多さに驚いてしまう。この庭園都市の象徴といえるのが、カールトン庭園だ。

紫の花が美しい庭園のジャカランタ

紫の花が美しい庭園のジャカランタ

朝、カールトン庭園はランニングする市民たちのトレーニング場となる。湿度が低くキリッとしまったクリスタルのような空気の中で、ランナーたちが庭園を駆け抜ける。

昼、ベビーカーを押した奥さま方がジャカランタの花の下で語らい、スケッチブックを抱えた学生たちが池で逆立ちしているロイヤル・エキシビジョン・ビル(王立博覧会ビル、王立展示館)を描き写し、スタイリッシュなサラリーマンがサンドイッチを頬張ったかと思ったら芝生の上に寝転がる。

夜、リスみたいにかわいらしい夜行性の有袋類ポッサムのつがいが、木々から降りてじゃれあい追いかけっこをはじめると、手を取り合った恋人たちがライトアップされた庭園にやってきて、静かにささやきあっている。

近代都市メルボルンのふところで、カールトン庭園は春には新緑、夏には花々、秋には紅葉、冬には枯木と四季折々に姿を変え、少しずつ進む自然の営みを人々にのんびりと伝えている。