ベト付かない! なのにギラッと光る!
塗ってから10分間程度経った状況です。向かって左側(右足)が同社のクラシックシアバターを塗ったもので、右側(左足)が今回のビーズエイジングオイルを塗ったものです。対照的な光沢がお解りいただけるかと思います。
1.香り
シアバターはナッツのような香ばしい匂いがする一方、ビーズオイルはもろ蜜蝋系の甘い香りで、こちらの方が気持ち強めに感じます。やはり原材料が動物由来だからでしょうか…… 効能には直接関わりはないものの、両者の香りはいずれも天然成分主体であることを示すかのようです。
2.塗る際の感触
シアバターもベト付きがそれほど残らず比較的サッパリした使い心地ですが、ビーズオイルはそれより更に滑らかな使い心地でかつ、意外や意外ベトベトも起こり難いのには驚かされます。固形同士だと後者の方が融点が高い筈なのですが、ここが文字通りこれは「バター」と「オイル」の差なのでしょう。どちらも手の指で塗ってしまって差し支えないですよ。
3.革への浸透度・時間
シアバターは塗った直後は透明な薄い油膜が張られたような感じで、要は革に入り切らなかった成分が浮き上がっている状態になります。一方ビーズオイルはそれより革に成分がスーッと入り込む感じで、油膜もそれより薄くて光沢のある印象です。
4.仕上げた後の革の質感と撥水性
塗った後、少し時間を置いて布で軽く乾拭きして徐々に革に浸透させると、シアバターの方は油膜の白っぽさが減じて、演出感のないあっさりした光沢に落ち着いて来ます。対照的にビーズオイルの方は、ややギラッとしたいかにもな光沢が持続します。どちらも革の表面が硬くなったりはせず、また、仕上げた直後には撥水力も双方に十分備わっていますが、持続性はどうやらビーズオイルの方がありそうです。
塗ってから2日経った状況です。向かって左側(右足)の同社のクラシックシアバターを塗った方は曇りが取れた感じに収まる一方、右側(左足)のビーズエイジングオイルを塗った方はグリーシーな光沢が持続しています。
5.総論
オイルドレザー特有の湿り気のある光沢や柔軟性がしっかり持続するという点で、このM.モゥブレィ・プレステージ ビーズエイジングオイルは従来のミンクオイルの代わりに十分なると思われます。更にはそれに比べアッパーのベト付きが圧倒的に少ないので、ワークブーツやアウトドアブーツを主に都会で履きたい方=ボトムズの裾を極力汚したくない方だけでなく、お手入れに苦手意識のある方にも向いているのではないでしょうか。匂いも自然なので、これなら女性でも嫌がることなく使えるでしょう。
撥水性が有るので、レザーソールの地面へのアタリを柔らかくしたい時とかにも活用できるかも? あと、だいぶ酷使したワークブーツやアウトドアブーツをお手入れして復活させる場合には、今回比較したM.モゥブレィ・プレステージ クラシックシアバターをまず薄く塗り、数日置いて革の内部の水分や油分を回復させた後に、次にこれを塗ってそれらを封じ込める作戦も有効かと思われます。いずれにしても従来のオイルドレザー系のお手入れ用品に比べ圧倒的に扱い易いので、その種のアッパーの靴をお持ちの方でしたら、買っておいて損はしませんよ!
【商品情報】
M.Mowbrlay Prestigio Bees Aging Oil
色:無色(ニュートラル)
税込み価格:1620円
お問い合わせ先:R&D
TEL:03-3847-2255