子供の教育/読み書き力

読書感想文を成功に導く親のサポートとは?言葉がけのコツなどを解説

読書感想文で漠然と「本を読んだ感想を書きましょう」と言われても、真っ白な原稿用紙を前にすると、結構書きにくいものです。ですが、親が感想を引き出す言葉をかけて、書き方のコツを少しアドバスすれば、子どもは、随分楽に書き始めるもの。

田宮 由美

執筆者:田宮 由美

子育てガイド

<目次>

読書感想文は、親の声のかけ方でグッと書く意欲が高まる

読書感想文、親サポートとは

読書感想文は「早く書きなさい」ではなく、言葉掛けを少し変えるだけで、子供はドンドン感想が湧き起こり、進んで取り組むようになります

友達と遊びに行った体験や面白い映画を観た感想を子どもは、親のちょっとした言葉がけから、嬉しそうにドンドン話すことはありませんか。感想文は、そのように心に感じたこと、湧き起こる思いを書いていけば良いのです。

ですが、「文章にする」「感想をまとめる」という作業が小学生の子どもには苦手感があり、そこで行き詰まることが多いのではないでしょうか。ですがその作業も、ちょっとしたコツでスムーズに進むようになります。子供が自ら進んで読書感想文を書く親の関わり方をお伝えします。参考にしてください。
 

感想を引き出しやすい言葉がけ

その1 「何故、この本を読もうと思ったの?」
本を選択した理由を考え、先ずは自分がこの本に興味や関心を持った動機を振り返りましょう。

その2 「主人公はどんな人?」
中心人物(動物や擬人化された物)を明確にし、その個性を把握しましょう。

その3 「主人公がしたことのなかで、どんなことが『すごいなぁ!』」と感じた?」
主人公の言動で感心、感歎したところを言葉で表現しましょう。

その4 「主人公と○○ちゃん、『似ているなぁ~』と感じたころあった?」
主人公の言動や思考と、自分が似ていると感じたところから、共感したことを言葉で表現しましょう。

その5 「○○ちゃんだったら、『こうするんだけどな~』と思ったところあった?」
主人公や登場人物の言動や思考と、自分は少し違うと感じたところから、自分なりの考えや方法や手段などを考えてみましょう。

その6 「どんな場面が一番心に残っている?」
全体の中で、最も印象に残っている場面を思い出し、感動した気持ちを言葉で表現してみましょう。

その7 「『自分のこんなとこ、変えたいな」と思ったところはあった?」
この本を読んで考えさせられたところ、ためになったところ、今後、自分の生活の中で活かしていきたいことなどを具体的に考えてみましょう。

本のジャンルなどによっては、問いかけ方は違ってきますが、これらを柱として後は親が内容にあうようアレンジし、話しかけてみてください。書く材料がいろいろ出てきて、原稿用紙に実際書いていく言葉も多く並ぶと思います。
 

問いかけの返答を付箋に書いていく

次はこれらの言葉を整理していく作業に入ります。
親の問いかけによって、引き出された言葉をひとつひとつ付箋に書いていきましょう。そして、その付箋を見て、同じ内容のものをまとめたり、異なる内容の者だったら、2つに分けたり、割愛するべきもを省いたりしながら、構成を考えて、貼り替えてみましょう。そして、それらの言葉を繋ぎ合わせるように、ひとつの感想文に仕上げていきます。

初めに、この本を読もうとおもったきっかけ、次に簡潔なあらすじと感じたこと、そしてもっと深く感じたことや思ったことを掘り下げて書き、最後にこの本を読んだことによって得たことやこれからの自分にどう活かしていくか、という構成で書いていけばよいでしょう。

次は読書感想文を更にブラッシュアップしていきましょう。
 

読書感想文をブラッシュアップするチェック項目

その1 あらすじが多すぎていないか
時々、あらすじばかりを書いてしまっている子がいますが、要約文ではなく、感想文ですので、感じたことを主に書きましょう。

その2 子どもらしく、素直に感じたことを書いているか
時々、評論家のように、善悪や優劣を決めつけて書いてしまう子がいます。子どもらしく、分からないところは疑問形で残しておいてよいでしょう。できるだけ感じたことを素直な観点から書いた方が好ましいですね。

その3 文の構成、作文のきまりがきちんと守られているか
誤字脱字はないか、句読点やカギカッコなどの作文の決まり、原稿用紙の使い方が守られているか。また起承転結のある構成になっているかなど、意識して読み直してみてください。


「読書感想文の宿題を早く終わらせなさい!」と声をかけてさせるのではなく、感想を引き出すような言葉がけに変えるだけで、子供の読書感想文への取り組み方が大きく変わってきます。ただスムーズに書けるだけでなく、親子の絆も深まり、そこから読書の楽しさやおもしろさ、奥深さを感じ、読書が更に好きになっていくこともあるでしょう。

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