大学生の就職活動/大学生の就職活動関連情報

インドネシア人学生の就職観から日本人が学ぶべきこと(2ページ目)

グローバル化が進む中、日本の大学生だけではなく海外の外国人学生を採用する企業が増えている。特にアジア進出を狙う企業は中国や東南アジアの優秀な大学生に積極的にアプローチしている。もはや就職活動の競争相手は日本人だけではなくなった。今回はインドネシアの大学生に直接、就職観などについて聞いてみた。

小寺 良二

執筆者:小寺 良二

ライフキャリアガイド

選択肢が限られているからこそ持てる覚悟

大学の授業がある時は学業に、大学が休みになると将来のためにインターンシップに取り組むと聞くと、なんと真面目でやや退屈そうな大学生活かと思うだろう。しかし彼ら彼女たちも国籍は違えど同じ20代前半の若者だ。当然、遊びもするし恋愛もする

ガイドは今回インドネシア国内では最高峰のインドネシア大学を訪問し、現地の学生のキャンパスライフや恋愛観などを聞くことができた。その対話を通じて彼ら彼女たちの人生のパートナーや仕事選びの考え方も見えてきた。
国籍は違えど同じ若者ならば遊びや恋愛観にも共通点があるかもしれない

国籍は違えど同じ若者ならば遊びや恋愛観にも共通点があるかもしれない


日本では考えられないが、彼らのキャンパスライフや恋愛はイスラム教の影響を大きく受けている。財務省のHPによると、インドネシアでは国民の88.1%がイスラム教徒だ。イスラム教の人は基本的にお酒を飲まない。日本では大学生と言えば居酒屋での飲み会がライフワークのイメージだが、インドネシアの学生に「遊びに行くときはどこにいくの?」と聞くと皆声をそろえて「Karaoke!」と言っていた。お酒は飲まないが、カラオケは日本でもインドネシアでも大学生に人気のようだ。

しかしどんなに男女でカラオケに行ったところで、その中でカップルが生まれることはないようだ。なぜならば、彼らによるとイスラム教では結婚前の男女交際は禁止なので、基本的には最初に付き合う人が結婚相手になるのだという。

さすがにこればっかりは日本の若者には理解できないはずだ。

人生で付き合える人は1人と言われると、正直誰を選んだらいいかわからなくなってしまいそうだ。しかしそれでもインドネシアでは結婚適齢期になるとパートナーを見つけ結婚する。30代の晩婚が当たり前になりつつある日本だが、インドネシアではほとんどの人が20代で相手を見つけて結婚するようだ。

与えられた選択肢を大切に

与えられた選択肢を大切にして、その中でよりよい選択をする

これにはさすがに考えさせられた。もしかすると日本は就職でも恋愛でも、あまりに多くの選択肢が与えられ過ぎているのかもしれない。いつ、どれを選ぶのも自由。選ばないのも自由。だから選んだ後に「こんなはずじゃなかった」と不満を言い他の選択をしなかったことを後悔する。実際、若者の離婚率や離職率の高さは問題となっている。

インドネシアでは先に述べたように、受けるインターンシップの回数も日本の感覚に比べて少ない。でもだからこそ自分が選んだ選択肢にある意味の割り切りと覚悟があるのかもしれない。

今回、インドネシアの現地の若者と話をし、気づかされたことは多かった。目の前の選択肢を受け入れ、その中で自分のベストな選択をしてより良い人生をつくっていこうとする姿勢の大切さを学んだ訪問だった。


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