自分が成長したと思える自己PRエピソードとは?

自分が成長したことを効果的にアピールする方法を事例と共に紹介

自己PRのキモは具体的エピソード。そしてそれは「身の丈を超えた経験」であり、苦難なのだ。

エントリーシートに書く内容は、大別すると二つ。自己PRと志望動機である。自己PRや志望動機の書き方に関しては、以下の記事が詳しいのでよく読んでほしい。 さて今回は、自己PRに添える、自らが成長した具体的エピソードの選び方と書き方を記したいと思う。なお参考文献は、南カリフォルニア大学マーシャル・ビジネススクールのモーガン・マッコール教授が記した「ハイ・フライヤー 次世代リーダーの育成法」である。タイトルからみて、大学生のキャリア形成には程遠いと感じると思うが、成長させる経験とは何かを考える上では非常に参考になる。

結論を先に述べる。人の成長に強いインパクトを与える経験は、おおよそ「困難を伴う経験」である。後から振り返ってみても、もし事前に困難とわかっていたなら絶対に実行しなかった、辛い経験が多い。なぜならば、自らを成長させる経験は必ず「身の丈を超えた経験」だからだ。身の丈を超えない経験で、人は自分以上にはなれない。身の丈を超えた経験だからこそ、苦しみもだえながらも、成長できる。

よって、PRすべきは結果ではなく、「プロセス」である。そして入社後も困難に主体的に立ち向かい、さらに成長できる人材であることを伝えることがポイントなのだ。

<目次>  

【経験】「身の丈を超えた経験」が成長を促す

成長を促す経験

この図は、モーガン・マッコール教授が示した、「成長を促す経験」モデルである。今回の記事はこのモデルに、みなさんが自己PRのエピソードに使うべき「成長を促す経験」を考察してみる。
「身の丈を超えた経験」じゃないと、成長はありえない。

「身の丈を超えた経験」じゃないと、成長はありえない。

まず、「成長を促す経験」とは何だろうか。以下はマッコール教授がエグゼクティブへのインタビューのリーダーシップを育成した経験のうち、大学生にも適用可能なものを抽出したものである。なお、ここでいう「成長を促す経験」は、すべて所属団体における経験である。一人旅や独学による資格取得など、個人での経験は含めていない。もちろんその経験は誇るべきであるが、企業は、個人ではなく、チームで働く上で必要となる力を持っているか、もしくはチームにおいてスムースに仕事をしながら、学び続けることができるかをチェックしている。よって、個人での経験は、彩りにはなりえても、自己PRするべきエピソードのメインにはなり得ない。
 
  • 課題
    1. 初期の仕事経験
      授業であれば、ゼミやプロジェクト型授業などで、はじめてメンバーともに研究活動を行った経験だろう。インターンシップも当てはまる。学業以外であれば、アルバイトやクラブ・サークルなどで最初に任された仕事だろう。
       
    2. 最初の管理経験
      ゼミのリーダーや、クラブ・サークルの代表者、アルバイトであれば店長がいない時の責任者など、自分以外のメンバーのマネジメントはもちろん、そのメンバーの行動や成果まで責任を持たなくてはならないような立場になった経験を指す。
       
    3. ゼロからのスタート
      着任したばかりの先生のプロジェクトを任される、新しいクラブ・サークルを立ち上げる、起業したばかりの企業のアルバイトなど、先行者がいないため、やることすべて自分で考えなくてはならない経験。クラブ・サークルの立ち上げ以外は、教員や社会人の指示に従えばいいかもしれないが、一部分は自分でゼロから考えなくてはならない課題もあろう。
       
    4. 立て直し
      これは少ないと思うが、廃部寸前のクラブ・サークルや、閑古鳥が鳴いてるアルバイト先などで経験する可能性はある。ゼロスタートとは違い、意欲を高めたり、周囲との関係修復などマイナスからの脱却がテーマになる。
       
    5. プロジェクト/タスクフォース
      ゼミやクラブ・サークル、アルバイトなど、所属団体内における、プロジェクトやタスクフォース。わかりやすい例で言えば、アルバイト先の居酒屋で新メニューやキャンペーンを考える、など。
 
  • 他の人とのつながり
    1. ロールモデル
      所属団体における先輩との協働作業。いい先輩であれば見本であり、悪い先輩なら反面教師である。
 
  • 修羅場
    1. 失敗とミス
      所属団体における失敗やミス。
       
    2. 冷や飯を食う
      所属団体において、惨めな役回り、やりたかった仕事に就けない、閑職に追いやられるなど。
       
    3. メンバーの成果の問題
      管理者になったのみに発生する、失敗やミスなど重大な問題を抱えるメンバーと直面すること。
       
    4. 既定路線からの逸脱
      ゼミの変更、クラブ・サークルを辞めて新しいことを始める、アルバイトを変えるなど。特にアルバイトは簡単に辞めることができるので修羅場とは無縁かも知れないが、それが思い入れのある職場であれば、それなりの修羅場となる。
       
    5. 個人的なトラウマ
      病気や身体的な問題、事故、経済的な問題などが、大学生活に影響を与えたケース。

     
  • その他
    1. 研修プログラム
      大学やアルバイト、その他学外の教育機関における研修での経験。

ここで気付いたと思うが、人の成長に強いインパクトを与える経験は、おおよそ「困難を伴う経験」である。後から振り返ってみても、もし事前に困難とわかっていたなら絶対に実行しなかった辛い経験が多い。

それはなぜか。前述した通り、自らを成長させる経験は必ず「身の丈を超えた経験」だからだ。当然身の丈を超えない経験では人は自分以上に成長できない。身の丈を超えた経験だからこそ、苦しかったのだ。

よって、自己PRを作成する際には、学生時代において、最も苦しかったエピソードを選ぶことが大切なのだ。
 

【戦略】成長を促す経験をみつける

成長を促す経験

前ページで、君にとって一番苦しかったエピソードを選んでもえたと思う。そのエピソードを素晴らしい自己PRに仕上げていきたい。

次に「戦略」の部分をチェックしたい。戦略とは、その経験を生み出した所属団体における戦略である。マッコール教授は、成長を促す経験は、その企業の事業戦略とリンクしていることが大切だと指摘している。つまり、
 
  1. 所属団体の戦略と一致していること。
  2. その経験が、所属団体の戦略を実施する上でクリアしなければならない課題であること。

など、所属団体の戦略とリンクしていると、そのアクションが所属団体の中で肯定され、注目され、支援されるからである。所属団体の戦略に沿わない経験では、肯定も注目も支援もなく、人が成長する経験になりにくいのだ。
独力だけで「身の丈を超えた経験」は、通常乗り越えられない。できたとしてもそれは小さな経験だ。

独力だけで「身の丈を超えた経験」は、通常乗り越えられない。できたとしてもそれは小さな経験だ。

簡単な例を述べよう。
  • ゼミの場合
    その課題が、自分の研究のためにクリアしなければならない課題であれば、それが「身の丈を超えた経験」であっても、乗り越えようと挑戦できる。結果、普通の経験より困難な場合が多い。
    例:インタビューやフィールドリサーチ、研究発表、プロジェクト学習など。
     
  • クラブ・サークルの場合
    その課題が、クラブ・サークルの戦略のためにクリアしなければならない課題であれば、それが「身の丈を超えた経験」であっても、乗り越えようと挑戦できる。結果、普通の経験より困難な場合が多い。
    例:体育会系であれば大会、文科系であれば講演やコンテストなど。
     
  • アルバイトの場合
    その課題が、アルバイトの経営理念や戦略などのために、クリアしなければならない課題であれば、それが「身の丈を超えた経験」であっても、乗り越えようと挑戦できる。結果、普通の経験より困難な場合が多い。
    例:マクドナルドの「i‘m lovin’ it」、スターバックスの「くつろげる空間 ~Third Place~」、コールドストーンの「Make People Happy」など。
 

【才能】成長に必要な潜在能力

成長を促す経験

次に「才能」の部分をチェックしたい。才能とは、経験を成長に繋げる力のことだ。なぜなら、誰でも「身の丈を超えた経験」をすれば、成長するとは限らない。「身の丈を超えた経験」に挑戦するだけでなく、経験から学ぶ力が必要となるからだ。マッコール教授は、以下の力のいずれかが必要だと述べている。
例えそれが「身の丈を超えた経験」であっても、誰しもが成長するとは限らない。

例えそれが「身の丈を超えた経験」であっても、誰しもが成長するとは限らない。

 
  1. 学習機会を追求する
  2. 誠実に行動する
  3. 文化の違いに適応する
  4. 変化をもたらすことにかかわりあっていく
  5. 広範囲の事業知識を追求する
  6. 人の最も優れた部分を引き出す
  7. 洞察力がある・新しい視点で物事を考える
  8. リスクを冒す勇気を持つ
  9. フィードバックを求めてそれを利用する
  10. 失敗からも学習する
  11. 批判に耳を傾ける

さて、みなさんは自分を振り返ってみてどうだろうか。「身の丈を超えた経験」に挑戦したなら、きっとどれかは持っていたはずだ。自己PRを作成するときに、その力もセットで書くと、繋がりが生まれてエピソードに説得力が生まれるだろう。是非考えてみてほしい。

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