ワキ汗と匂いはデリケートで重要な問題
汗が気になる夏は、実際に私たちの病院に来ていただくお客さまでも多汗症やワキガの依頼が増えています。最近は、スメルハラスメントや自臭症など、精神的な病に発展するほど社会問題となっており、ますます関心が高まっています。
そこで、「ワキガ」について専門的な知識をつけて、自分は臭っているのか? 臭っている原因は? またその解決法があるのか? ここではっきりさせましょう。
ワキガのセルフチェックをしてみましょう
職場はもちろん家族でさえワキガの話をする事はデリケートな問題なので、周りの人も見て見ぬ振りをしているケースが多いです。ワキガの方は鼻が慣れているなどの原因で脇を直接嗅いでも匂いがわからない場合が多く、家族も同様の症状があることも多いので、まずは自分や近しい人がワキガかどうか、セルフチェックするのがオススメです。「ワキガかも?」と思ったら…セルフチェックリスト
- 家族にワキガの人がいる
- 耳垢が湿っている
- ワキにティッシュをはさんでかぐとツンとした匂いがする
- 汗をかいたあとの服の匂いをかぐとツンとした匂いがする
ワキガのメカニズムと解決法
ずばり、原因は汗にありますが、実は汗そのものににおいはないのです。ではワキガの人は、なぜ独特なにおいになるのでしょうか?脇の汗や匂いは誰しも気になります
ワキガの正体と原因
人体にはアポクリン腺とエクリン腺という2種類の汗を分泌する汗腺があります。ワキガの主な原因は、アポクリン腺から出る汗にあります。ワキガは汗臭さとは異なり、鼻につくようなにおいが特徴です。アポクリン腺は、ワキや陰部周辺、乳輪、耳の穴などの体のある部分にだけ存在する汗腺で、分泌される汗には脂質やたんぱく質が多く含まれます。アポクリン腺の汗に含まれる脂質やタンパク質、糖質、アンモニアなどの成分が皮膚表面に存在する常在菌により分解されることで、においが発生するのです。
ワキガの治療
大きく分けて外科手術による根本治療と外用薬による対症療法になります。様々な方法がありますので最新治療の紹介も合わせて他の記事にまとめます →修正希望です。
外用薬
抗真菌薬:この方法は軽度のワキガの方に有効で汗を分解し匂いにしている菌を排除することで匂いをたちます。
塩化アルミニウム液:制汗作用がありますので、匂いの広がりを防ぐことができます。
外科手術
吸引法:皮膚を数mm切開します。そこから汗腺を溶かすレーザーや超音波器具などを使用し汗腺を破壊します。そのあと吸引器を用いて残骸を体外に吸い出します。この吸引法には様々な方法があります。
皮弁法:皮膚を数cm切開します。医師が皮膚をひっくり返しアポクリン汗腺を目視しながらハサミを使用して取り除いていきます。
最新治療:
マイクロ波を使用する。電子レンジと似た作用により、皮膚に傷を残すことなく汗腺を焼却します。