「おやつ職人まっちん」(岐阜・三重)
「まっちん」の愛称で親しまれるおやつ職人、町野仁英さん。まっちんのおやつは安心素材で丁寧に手作り。親が子どもに食べさせたいと願うような温かみのある和のおやつが並びます。岐阜の「おやつやまっちん」と三重県伊賀の「和菓子工房まっちん」を営むだけではなく、和菓子屋「ツバメヤ」に立ち上げから関わり、老舗油卸問屋「山本佐太郎商店」とのコラボ商品「大地のおやつ」をプロデュースするなど幅広く活躍しています。
甘党市で長蛇の列をなした「あんバターサンド」は、全国各地のイベントでも人気パン屋さんとのセッションで好評を博してきたもの。今回は岐阜のパン屋さんの焼きたて全粒粉イングリッシュマフィンが使われました。
注文がある度、目の前でまっちんが仕上げるスタイル。特別栽培小豆と粗糖で炊いた粒餡をたっぷり挟み、オリジナルバタークリームをのせ、無農薬大豆を炒って作った自家製きな粉と自然塩で仕上げます。全粒粉が香るイングリッシュマフィンはふんわりもっちりで、餡とバターは滑らか。きな粉の香ばしさと、塩の粒が味を引き締めます。
「行列で迷惑をかけてしまった」と恐縮しきりだったまっちんさんですが、その味わいは作り立てなればこそ。甘党「市」、すなわち作り手が目の前にいる「マーケット」ならではのライブ感とおもてなしの心を、並んで下さったすべての方にお届けしたかったことと思います。
まっちんプロデュースのツバメヤの「本わらび餅」は、上質の本わらび粉を使いじっくりと煉り上げたものならではの、独特のコシと柔らかさ、滋味深い香りに感動。大地のおやつシリーズの「3じのビスケット」には、食べる人のことを考え、ショートニングは使いません。丁寧な「おやつ」の作り手にすっかり魅了されました。
<店舗情報>
■おやつ職人まっちん
「おやつやまっちん」
所在地:岐阜県岐阜市長良福光2621
営業日:不定期(月に1日程度)
「和菓子工房まっちん」
所在地:三重県伊賀市上野車坂町615-43
Tel:0595-23-8390
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜日
(当面の間、営業時間:10:00~16:00、定休日:月・火曜日で営業)
「粉匙(こさじ)」(兵庫・尼崎)
まっちんの隣に出店し、3種類120個のどら焼きがお昼前には完売した兵庫県・尼崎の「粉匙」。店舗を持たず活動する店主の安藤佳世さんによれば、「粉」を使った日常的なお菓子や料理に自分の「匙」加減を加えていきたい。いろいろな垣根を越えながら真摯に向き合いたいという思いを店名に込めたのだそう。「どら焼き屋」として活躍されていますが、和や洋という垣根にとらわれず、イベントによりケーキやお食事も作ります。
日々のお菓子にこそ安心な素材をと、北海道産薄力粉に同産小豆、甜菜糖に米飴など、材料選びには心を配ります。素材の旬も大切にしているという言葉を聞き、「グレープフルーツのどら焼き」を選びました。
銅板で手焼きする皮はふっくら。日持ちのするどら焼きの皮は、一般に糖度が高めで、それゆえしっとりとしていることが多いもの。対する粉匙の皮は、ほとんど甘さを感じないほどあっさり、ふんわりしていて、グレープフルーツの果肉を使った瑞々しい白餡と好相性です。
砂糖を控えると、餡のとろけるような食感やキャラメルのようなコクが失われたり、生地の食感や日持ちにも影響することから、和菓子の糖度を抑えるのは難しいとされますが、一方で和菓子が得意でない人から「甘すぎるから」という理由を何度も耳にしてきました。
粉匙のどら焼きは、穏やかな甘さで体が喜んでいるよう。人気が集まる由縁でしょうか。
<お問い合わせ先>
■ 「粉匙」
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