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Wii Uがスプラトゥーンの足をひっぱっている(3ページ目)

任天堂が発売した、オンライン対戦をメインコンテンツとしたWii U用の新作サードパーソンシューティング(以下TPS)「スプラトゥーン」。大きな話題になりましたが、実際どのくらい売れているのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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1本ぐらいひっぱられても、残りの9本でがんばればいいじゃないか

スプラトゥーンの図

まずは足場をしっかり塗り固めることが大事です(イラスト 橋本モチチ)

スプラトゥーンが売れているかというと、かなりいいペースで売れています。しかもそれは現在進行形です。しかし、その売れ行きがWii Uというプラットフォームに勢いをつけているかと言われれば、それはまだかなり難しいと言わざるを得ません。それどころか、Wii Uがスプラトゥーンの足をひっぱっている状況です

現在の売れ方から、スプラトゥーンが誰に売れているかを考えると、FPSやTPSのファン層が主なユーザー、というわけではなさそうです。FPSやTPSを特に好むユーザーが家庭用ゲームハードを買う場合、PlayStation3やPlayStation4などが多く、Wii Uの販売がそれ程伸びていないことから、この層が移動してきているわけではないことが分かります。

現状では、Wii Uを持っていて、かつ、話題のソフトにすぐ飛びつくことができるような経済力のあるユーザー、と考えれば、任天堂ファンの大人のゲームユーザーが主体であると考えられます。

おそらくその中には、FPSやTPSにあまりなじみのない、あるいはほとんど初めてという人もそれなりに含まれると想像できます。何しろWiiやWii Uでは、こういったジャンルのゲームは非常に数が少なく、発売されてもあまり販売数を伸ばせていませんでしたからね。

オンライン対戦主体のTPSが、今ままでとは違う層に売れているということ自体は、スプラトゥーンの可能性の1つです。もしここから、任天堂が得意とする子ども層にまで広がるとすると、それはWii Uにとって大きなプラスになる可能性があります。

それこそ、オンライン対戦主体のTPSを子ども層がどれだけ買うのかと言われると、大変に疑問があるわけですが、スプラトゥーンはこの手のジャンルには珍しく対象年齢は全年齢ですし、海外ではコアなユーザーから不満が出る程にコミュニケーション手段を制限して、ハラスメントなどが起きにくい構造にしてあります。子どもにも遊ばせられるゲームには、仕上がっているわけです。

品薄が解消した後も毎週ジワジワ売れていくこと、そして夏あたりにひと盛り上がりあると、それは子ども達に売れつつある兆候であり、今度はクリスマス商戦への布石となり得ます。

スプラトゥーンの対戦をしていて、非常にマズイやられパターンは単騎特攻です。劣勢の時は、1人が無理をしても戦況はなかなかくつがえりません。まずはしっかりと自陣を塗り固めながら、仲間の到着を待って一気に攻める、それが重要です。できればその間に、奥の手であるスペシャルウェポンの用意ができていればなお良しです。

スプラトゥーンの単騎特攻では、Wii Uの状況は簡単には変わりそうもありません。しかし、あせらずに勢力圏をジワジワと広げ、仲間の到着を待って、できれば奥の手を隠し持って一気に攻める、そこまでこぎつけられれば、大きなチャンスに育てることもできるのではないでしょうか。

今はWii Uの勢いの無さに足を引っ張られていますが、1本ぐらいひっぱられても、まだまだ残り9本あるはずですから、あせらずに育てて、潮時を待って欲しいですね。

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