鳳凰単叢(ほうおうたんそう)って、どんなお茶?
甘く芳醇な香りのクチナシの花と蓋碗で淹れる鳳凰単叢黄枝香
鳳凰単叢は、広東省の鳳凰山一帯で作られるウーロン茶。単叢とは、一株(単叢)の茶樹、もしくは根がつながっている群体ごとに製茶されるものを指します。茶樹や摘採時期によってそれぞれ異なる香味を醸し出し、その特徴的な香りを「〇〇香」とお茶の名前に用いるので、初めて選ぶお茶でも比較的イメージしやすそうです。
フレーバーティーとは一線を画す、茶葉そのものが持つ清らかで気高い香りの余韻こそが鳳凰単叢の魅力。清澄な芳香をたたえた琥珀色のお茶にそっとくちづけた瞬間、その虜になる人も数知れず。日本の茶園とは全く風景の異なる、樹齢数百年の大きな茶樹もあり、空に向かって大きく手を伸ばすような樹枝の力強さを感じられるものもあります。山韻(さんいん)とよばれるその特有の香味は、純粋な茶葉の自然性をしみじみと感じさせてくれます。
鳳凰単叢には80以上もの種類があり、中でも十大花蜜香型といわれるのは、蜜蘭香、黄枝香、芝蘭香、桂花香、肉桂香、茉莉香、杏仁香、玉蘭香、桃仁香、姜花香。今回は、この十大花蜜香型の中から、クチナシの香りに例えられる黄枝香(こうしこう)をご紹介いたします。