「スペースディスコ」シリーズ
ダフト・パンクのヘルメットから始まったスペースディスコの旅は意外と長く続きます。今回は、「スペースディスコという名称がどのあたりから使われるようになったか?」から検証していきましょう。ダフト・パンクよりずっと前にヘルメットだった奴ら
『スター・ウォーズ』とスペースディスコのカンケイ
ダフト・パンクの父もスペースディスコだった!?
サラ・ブライトマンには宇宙へ行って欲しかった
「Space Disco」を名乗るコンピレーション
「1977年頃に始まったスペースディスコが、当時からそう呼ばれていたかはわからない」と書きましたが、調査を進めていくと、当時から、少なくとも1980年時点では、ジャンル名としてそう呼ばれていました。その証拠となるのが、1980年にフランスのEuromusicというマイナー・レーベルからリリースされたSideral Groupによる、その名も『Space Disco』というアルバム! 2010年にアナログでの再発がされましたが、それまではレアであるが故、プレミアだったアルバムです。Sideral Groupとは「星のグループ」を意味しますが、それほど志が高いわけではなく、ブーム終盤にそれまでのスペースディスコ系代表曲をカヴァーするために作られた便乗型企画バンドと思われます。既に紹介した、スペースの「Magic Fly 」、ミーコの「Star Wars」(まあ、ミーコ自体がカヴァーだから、カヴァーのカヴァー)なども当然のごとく収録しています。内容より、ジャケの方が好きですが(笑)。
Space Disco (Discogs)
「Space Disco」という曲
さらに調べると、The Universal Robot Bandが「Space Disco」という曲を収録したアルバム『Dance & Shake Your Tambourine』を1977年にリリースしています。これが直接、ジャンル名になったかはわかりませんが、多くの現象は1977年に始まったと言ってもいいでしょう。紐解いてみると、タイトル曲のシングルは1976年にリリースされていますから、スペースディスコまたはスペースディスコに火をつけた映画『スターウォーズ』の1年前です。The Universal Robot Bandはフランスではなくアメリカのバンドで、ファンキーディスコの延長線上ですが、この時点でRobotをバンド名に入れたのは時代の象徴と言えましょう。このシングルは、フランス、ジャマイカ、そして日本でも発売。ちなみに日本でのシングルの邦題は、『シェイク&タンバリン』。これ以降、スペースディスコという領域で、言語・文化的にもかなり違うアメリカとフランスが反応し合っていたのが大変興味深いです。
Dance & Shake Your Tambourine (amazon.co.jp)
Space Disco (YouTube)
シェイク&タンバリン (Discogs)