テクノポップ/テクノポップ関連情報

アーティスト・インタヴュー~Part 7 “乙女パスタ”な永井ルイさん

日本のアイドル歌謡界の音楽品質向上に多大な貢献をされた、永井ルイさんに登場いただきました。モダンポップ・ファンの「ストレンジ・デイズ読者」にも別冊宝島「モーニング娘。バイブル」を買っちゃうような「モーニング娘。楽曲研究家」にも、納得していただける内容となっております。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

いつもは、テクノポップ担当ガイドですが、今日は張り切ってモダンポップ担当となります。9月15日にストレンジ・デイズ・レーベルからファースト・ソロ・アルバム『オーパーツ』をリリースされたばかりの日本でも数少ないポップ魔術師、永井ルイさんに電子メール・インタヴューをさせてもらいました。

――永井ルイさんは、ビートルズ・ファンを公言されていますが、ビートルズから入られたのですか、それとも(ストレンジ・デイズ風に)ビートルズの遺伝子を受け継いだモダンポップのバンドから入られたのでしょうか?

ビートルズです。最初に手にしたレコードは『ミート・ザ・ビートルズ』でした。でも、その後クイーン、パイロット、ELO、10cc、等の新曲をラジオで聴いていました。

――ビートルズに影響を受けたアーティストは数え切れませんが、永井ルイさんのようにビートルズのエッセンスを咀嚼して自分の音楽に反映しているアーティストは少ない(特に日本では)と思います。例えば、ELOはビートルズ・ライクなのですが、やはりELOである。その違いは、どの辺から来るのでしょうか?一度、何らかのフィルターがかかっているような気がします。

ビートルズに影響を受けた事は事実ですが、当然それだけではありません。先程のクイーン、パイロット、ELO、10cc等は勿論、スイート、ベイ・シティ・ローラーズ、イエス、スーパートランプ、ユートピアやキッス、エンジェル、フリートウッド・マック、スティクス、ボストン等、様々な新譜を聴いて育ちました。そして手塚治虫、1969年のアポロ11号、大阪万国博覧会、子供の頃に聴いた童謡、日本の70年代の歌謡曲等が、自分の中でミックスされているのではないでしょうか。

――バッド・フィンガー、クィーン、ELO、10cc、パイロット、トッド・ラングレン、クラトゥー等のいわゆるモダンポップ系のアーティストの名前が永井ルイさんに関連する記事には出てきますが、今あげた人達以外にもマイナー系(ストレンジ・デイズ的にはニッチポップ)含めて好きなアーティストがいれば教えてください。例えば、スプリット・エンズ、ルパート・ハイン、デフ・スクール、セイラー、ミスター・ビッグ(U.K.)とかは、どうでしょう?

デフ・スクール、セイラー、ミスター・ビッグ(U.K.)等は、かなり好きな部類ですね。他には、スレイド、ラジオスターズ、トリックスター、ビー・バップ・デラックス、スクイーズ、トリガー、ジェット・セット、ハーフネルソン(スパークス)、ルーベッツ、マッド、ナッツ(NUTZ)、ヘイウッズ、スタックリッジ、カヤック、セバスチャン・ハーディー等が好きですね。

――永井ルイさんのフェヴァリットはビートルズ以降の70年代が中心のようですが、80年代のモダンポップの流れを汲んだテクノポップ系はどう評価されていますか?例えば、バグルズ、ニュー・ミュージック、Maisonnates(City Boyの派生)とかです。ご自身がプロデュースされたザ・ブースターズ等はどちらかと言えば、その流れではないかと。

80年代の音楽は、シンセサイザーの進化によりギターの役割が極端に減り、多少軽薄(失礼!)な印象を受けるモノがありますが、個人的にはバグルズ、アラン・パーソンズ・プロジェクト、ミスター・ミスター(ペイジス)等が印象に残っています。特にトレバー・ホーンは大好きです。新たなジャンルの幕開けともいえる革命的な時代で、その後の音楽シーンを変えたパンクとテクノは重要な要素として捉えています。あと、ストレンジ・デイズ編集長の岩本晃市郎さんに教えてもらったフレイハイト(FREIHEIT)は最高です。
※ドイツのELOと呼ぶ人もいる

――好きな日本のアーティスト(過去、現在関わらず)とかは、おられるのでしょうか?

ゴダイゴ、四人囃子が好きです。

――永井ルイズ ヒップスリップ名義で1999年にリリースされた『ヒミツの宇宙旅行』(写真右)で永井ルイ・ワールドにはまってしまったのですが、5曲目の『Mr.アドベンチャー』はELOの『Mr. Blue Sky』への永井さん流のオマージュなのでしょうか?耳に残ってしょうがない好きな曲です。

有り難うございます。あのランディ・ニューマンも絶賛した名曲です。あんな心がドキドキするような曲が最近ないので、ボク自身が聴きたくて作りました。ジェフ・リンは、あのタイプのシャッフルも得意ですね。でも伝えたかったのは、サウンドだけではなく詩の内容でした。メッセージを伝えたい時に、威圧感を持たすのはあまり好きではないので、とっても明るい『Mr. Blue Sky』のサウンドはモチーフのひとつとなっています。
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