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『海街diary』と姉妹映画特集(3ページ目)

是枝裕和監督の新作『海街diary』がとても好評です。4姉妹を中心に彼女たちに関わる人々との交流と姉妹関係を描いています。そこで姉妹映画をピックアップしてみました。兄弟とは違う、女同士の濃密な関係性とは?

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

王室と音楽の世界に生きる姉妹の悲劇

『ブーリン家の姉妹』(2008年度作品)
ブーリン家の繁栄のために王室に入ったアン(ナタリー・ポートマン)とメアリー(スカーレット・ヨハンソン)の姉妹。ヘンリー8世(エリック・バナ)がメアリーを選んだために起こるアンの嫉妬と野望を描いた歴史劇。

アンがどんなに嫉妬と憎しみをメアリーにたぎらせても、メアリーは優しく姉思いの妹なのが救い。また両親の野心が姉妹の心を踏みにじっているようで辛いです。時代に狂わされた姉妹の悲劇的な人生。特にアンの行いは大スキャンダルとして語り継がれています。

監督:ジャスティン・チャドウィック 出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナほか

『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』(1998年度作品)
天才チェリストのジャクリーヌ(エミリー・ワトソン)の夭折の人生を描いた作品。彼女を支え続けたのは音楽を諦め、平凡な主婦になった姉ヒラリー(レイチェル・グリフィス)。演奏旅行で消耗し、夫との関係も微妙になっていくジャクリーヌは、普通の主婦になったヒラリーの幸福をうらやみ、姉や周囲を振り回し、やがて病に倒れます。

少女のような天才の妹を支えるヒラリーの愛情が温かい……。とはいえ、実はヒラリーはジャクリーヌの成功をねたんでいたという噂も。映画には、ジャクリーヌの非常識や無知などよろしくないエピソードも多く、もしかして著作と映画でヒラリーは今まで日陰の身だった自分を世に出そうとしていたのかもしれません。妹の真実を書くことで姉も有名に……。これもまた姉妹の姿だなと感じずにはいられない、いわくつきの姉妹映画です。

監督:アナンド・タッカー 出演:エミリー・ワトソン、レイチェル・グリフィス、ジェームズ・フレイン、デヴィッド・モリッシー
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