開幕を控え、現在までの手応えはいかがですか? どのような作品になりそうですか?
近藤>すごくいい現場ですよ。いい現場というのは、予定調和じゃないから、どんな風に出来上がるか読めない。一週間後にどうなっているのかわからない。だけど、いい作品にしようという気持ちは、ここにいるみんなが持っている。それってすごいですよね。セリフを覚えるのは、正直すっごく大変。だけど単純にひとの集まる場所が好きだから、毎日ああだこうだと言っては、スタッフと一緒に考えることも面白い。だから、毎日どんどん要素が増えちゃう。アイディアが次から次へと出てきちゃうんです。贅沢な遊びですよね(笑)。
演出家の多くがそうだけど、長塚さんもとにかくしつこい(笑)。志向が高くて、時間さえあればそこを埋めていこうとする。だからもしかすると、“長塚さん、ここはこれでいいでしょ”って言うのが僕の役割のひとつかもしれない。彼はやれるところまでやっちゃうタイプだから。
ありがたいことにこれだけ本番があるから、子供たちはこう反応するんだ、じゃあ明日はこうやってみよう、という余地がある。ダンス公演でこれほど長い日程ってまずないですよね。子供たちの反応を見ながら、作品も成長していくと思う。もしかすると、絶対的な完成というのはないのかもしれません。