セクシュアルマイノリティ・同性愛/LGBT

LGBTの子を持つ親が知るべき 3つの事実

私にも、母親がいます。私が同性愛者であることに対して、うまく理解できず、お互いを拒絶したこともありました。LGBTだとしても親子関係は切り離せないものであり、お互いに理解できないということは、親にとっても子にとっても、本当に辛く、悲しいものです。ここでは私の実際の経験や、様々な人のケースを踏まえて、子どもがLGBTだとわかった方にぜひ理解して頂きたいことを、3つのポイントにしてお伝えします。

執筆者:林 康紀

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1. LGBTになりたくてなったわけではない

LGBT 家族

身近な人の存在が重要

LGBTになりたくてなった人なんていません。日本の多くのLGBTの人が、自分がLGBTであるということに気づいた時に「ストレートであれば、結婚できたのに」だったり、「ストレートだったら孫の顔を見せられたのに」と悩む経験をし、現在まで生きています。

中には自分がLGBTであることを認められず、人生に絶望し、自殺に至ってしまう人もいます。自分がLGBTであることを言ってしまったら、周りはどう思うのだろう、友達が全員いなくなってしまうのではないか、いじめられるのではないか、気持ち悪いと言われるのだろうか……そういった不安を抱えながらも、生きてきています。あなたの子どもは、なりたくてLGBTになった訳ではないのです。 
 

2. LGBTの子はあなたを愛している

LGBTは、どうでもいい人にカムアウトしません。なぜなら、カムアウトというのはエネルギーのいることだからです(私みたいなフルオープンなゲイは歩くカミングアウトなので、別ですが)。

カムアウトとは、自分が周りに隠していることを「なんて言われるのだろう」とビクビクしながらも誰かに打ち明けることであり、エネルギーを消耗します。たとえると、性病にかかって産婦人科や泌尿器科に診察に行ったはいいものの医者になんて言われるんだろう、とビクビクしながら打ち明けることの、2~3倍くらいエネルギーを使います。

しかしそれでもカムアウトをしようとするのは、自分にとって大切な人に対していつまでも嘘をつきたくないからです。「将来結婚するときはどんなお嫁さんなんだろうね」などと聞かれて、「きっと綺麗な人だよ」などと会話を合わせるための嘘を、自分が愛している親にいつまでもつきたくないのです。親が自分にとって大切な人だからこそ、自分を受け入れてほしいのです。
 

3. LGBTにとって親は最強の敵にも味方になる

LGBT 親

親は敵にも味方にもなる

LGBTの人にとって、親からの一言は非常に大きな意味を持ちます。親がLGBTに対してどう思い、なんと言うかは子にとってとても重要です。

LGBTの我が子に対して「気持ち悪い」などといった否定的な言葉を投げてしまうと、LGBTの子を自殺に追い込んでしまうくらい、一生忘れられないほどの非常に深い心の傷を負います。

しかし、LGBTの我が子に対して「何があっても、私だけはあなたの味方だからね」といった言葉を投げかければ、人生の中でどんなに社会や人々から差別を受けたりいじめられても、生きていけてしまうほどの力をLGBTの人は手に入れるのです。

親の言葉は、子を殺してしまうほどの恐ろしさを持つと同時に、子がなにがあっても生きていけてしまえるようにしてしまうほどの素晴らしい可能性も兼ね備えているのです。LGBTの子が幸せに生きていけるように、親のあなただけは、LGBTの子の味方でいてあげてください。きっと、どんなことにも負けない強い人になると思います。
 

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