完全無農薬で自然薯づくりに取り組む
佐賀県唐津市「ささき農園」
ささき農園の佐々木励さんと自然薯
「唐津市の自然薯は、夏目漱石の小説『吾輩は猫である』にも登場するんですよ」 と語るのはささき農園の佐々木励さん。良質の赤土で育つ唐津の自然薯は、色白で粘りが強く、名物とされていましたが年々生産農家が減っている状況でした。佐々木さんは、そんな自然薯を特産品として復活させようと栽培に取り組み始めました。
もともとは会社員だった佐々木さんが農業をはじめたきっかけは、インドネシアで高潮被害を見たことからだそう。「被害は地球温暖化が影響していると感じました。自然に負担のかからない農業を行うことで、まず身近なところから自然環境を守ることができたら」と、実家の農業を継ぐことに。
祖父に教えを乞いながら農業をスタート。さまざまな野菜の作り方を学び、自然薯栽培に着手しました。当初は農薬を使っていましたが、そもそも「自然薯は『自然のイモ』と書くのだから、自然のままに育ててみよう」と農薬や化学肥料を使わない栽培を決意しました。
「近所には、野田温泉といって、その温泉水は冷暗保存で1か月保存しても腐らないというほどの名泉があるんです。農薬を使うと畑の土が雨をろ過して、温泉水に影響を与えてしまいます。そのためにも農薬を使うのは止めようと思いました」(佐々木さん)
全滅の危機を乗り越えて
10年がかりで栽培に成功
それまで使っていた畑から、新たな畑を探すべく、裏山の手つかずの雑木林の中で、むかごを見つけました。「むかごがあるということは、もともと天然の自然薯が育つ場所。ここならぴったりの生育環境に違いない」と3年かけて開墾。落ち葉や刈った草に米ぬか、もみ殻、鶏糞などを混ぜて草木堆肥を作り、徹底的に土づくりにこだわりました。
けれど、そこからが大変。自然薯は無農薬にした途端に病気にかかりやすくなり、何度も全滅。研究に研究を重ねたにも関わらず「もうダメだ」と思ったころ、植え付け時期を見直し、種イモが生命力を損なわない時期に植え付けることで、やっと芽を出すイモが増加。農薬も肥料も使わない自然薯栽培にようやく成功! ここまでにかかった月日はなんと10年! 佐々木さんの「粘り強さ」あってこその自然薯の誕生でした。
美しすぎる自然薯はバツグンの粘り。
美味しくてパワーいっぱい!
色白、すべすべ肌で美しい!
掘り出した自然薯は色白、すべすべ肌で、スラリとまっすぐ美しい姿! もちろん美 しいばかりではなく、その品質も美味しさも素晴らしいものです。
佐々木さんの自然薯で作ったとろろは持ち上げてもなかなか落ちてこないほどの粘り。
事実、佐々木さんの作った自然薯のパワーは佐々木家でも実証されています。病気がちだった佐々木さんの奥さまは、自然薯を食べ続けていまや、畑仕事を手伝うほど元気になったそう。そして、長らくお子さんに恵まれなかった佐々木さんご夫婦に赤ちゃんが誕生したのも「夫婦で自然薯を食べ続けたからかな、と思います」と笑顔で語る佐々木さん。
パワーあふれる自然薯は、すりおろしたとろろをそのままいただくのも、もちろんと
ふわふわもちもちの「揚げ自然薯」。
佐々木さんの自然薯は唐津市内の旅館やレストランでも使われ、大好評。お取り寄せも可能です。パワフルな佐々木さんの自然薯を、ぜひ試してみてくださいね。
■ささき農園
佐賀県唐津市浜玉町渕上1247
TEL090-5293-2502/FAX0955-56-6017
【お取り寄せ】
ふるさと21