法人税法での使用可能期間は法定耐用年数のこと

4年落ちの中古車は初年度に全額経費

4年落ちの中古車は初年度に全額経費

法人が事業のために使用する建物、機械等の固定資産の取得のために要した費用(減価償却資産の取得原価)は、減価償却という手続きによって使用可能期間に応じて配分します。

しかしながら、法人自体が使用可能期間を自由に定めることを認めてしまうと、法人の自由裁量となり課税の公平が保てなくなります。

そこで、法人税法では、法人の恣意的な決定を防止し、課税の公平を図る観点から、この使用可能期間を耐用年数として「減価償却資産の耐用年数に関する省令」に資産の種類、構造、用途の異なるごとに細かく規定しています。これを一般に「法定耐用年数」といいます。

また、減価償却の方法には、償却費が耐用年数に応じて毎年同一額となるように計算する方法(定額法)と、償却費が毎年一定の割合で逓減するように計算する方法(定率法)等があります。定率法の方が初年度における減価償却費を多く計上することができるため、節税に有効です。ただし、法人の場合は、原則として建物は定額法、その他の有形固定資産については定率法となっていて、個人の場合は原則としてすべて定額法となっていますので、ご注意ください。

償却費として損金算入できる金額は任意でよいのか?

償却費として損金算入できる金額についても、法人税法は、課税の公平を図る観点から償却限度額を設けて、その範囲内での費用計上を認めることとし、その意思決定は確定した決算により行うものとしています。

法人税法上、損金の額に算入される償却費の額は、【償却限度額】か【償却費として損金経理した金額】か、いずれか少ない金額となります。平たく言うと、減価償却費を損金とするには、帳簿上で経費として計上する必要があるのです。

中古資産の耐用年数はどうやって計算するの?

では、中古資産を取得して事業の用に供した場合の耐用年数は、どうなるのでしょうか?

この場合は、法定耐用年数ではなく、その事業の用に供した以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。ただし、その中古時資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の額がその中古資産の再取得価額(中古資産と同じ新品のものを取得する場合のその取得価額)の50%に相当する金額を超える場合には、耐用年数の見積もりをすることはできず、法定耐用年数を適用することになります。

実務においては、中古資産を取得した場合には、通常次の簡便法により算定した年数により計算します。

(1)法定耐用年数の全部を経過した資産
法定耐用年数×0.2
(2)法定耐用年数の一部を経過した資産
(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2

なお、計算した年数に1年未満の端数があるときは切り捨て、2年に満たない場合は2年とします。

具体例をみていきましょう。

3月決算法人(事業年度1年)のX社が、平成27年4月20日に新車のベンツを取得価額600万円で購入しました。この場合、自動車の法定耐用年数は通常6年ですので、償却率は0.333となります。

購入初年度の減価償却費は、【600万円×0.333×12/12=199.8万円】となります。

では、今回の本題に入りますが、このベンツが中古資産(平成23年4月新車登録、つまり4年落ち)の場合はどうなるのでしょうか(なお、比較しやすいように取得価額は新車と同額の600万円と仮定)?

この場合の耐用年数は、(法定耐用年数6年-経過年数4年)+経過年4年×0.2=2.8年⇒2年となり、定率法償却率は1.000となります。

購入初年度の減価償却費は、【600万円×1.000×12/12=600万円】となり、初年度に取得価額の全額が経費となります。

ただし、期中に取得した資産の減価償却費については、月数按分計算が必要となりますので、全額を経費処理しようとするなら、期首に購入する必要があります(今回のケース)。

また、中小企業において中古資産を取得するメリットは、節税効果だけでなく、キャッシュアウトを抑える(安く買える)という点があることも覚えておいてください。     


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