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平成27年度 住宅税制改正総まとめ(2ページ目)

平成27年度(2015年度)税制改正では住宅取得資金贈与の非課税制度が拡充されるなど、需要喚起を目的とした施策が講じられました。今年の税制がどのように変わったのか、住宅に関する内容を確認しておくことにしましょう。

執筆者:平野 雅之


一定の空き家は固定資産税などの特例対象外に

固定資産税についてはこれまで「どんな建物でも建っていれば軽減される」ということで、老朽化した空き家の除却が進まない1つの要因とされてきました。

そのため今回の税制改正ではこれが見直され、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(平成27年2月26日一部施行、5月26日完全施行)による勧告の対象となった「特定空家」の敷地について、住宅用地に係る固定資産税および都市計画税の課税標準の特例措置の対象から除外されることになっています。


不動産取得税の特例措置の創設および延長

住宅および土地の取得に係る不動産取得税の標準税率(本則4%)を3%とする特例措置の適用期限が3年延長され、平成30年3月31日までとなります。また、宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を2分の1とする特例措置の適用期限も3年延長されます。

既存住宅に対する不動産取得税の特例における適用要件として、これまで「築20年(鉄筋コンクリート造などは25年)以内であること」と「昭和57年1月1日以降に建築されたこと」の2つの築年数要件がありましたが、「昭和57年1月1日以降に建築されたこと」を残して「20年(または25年)」の要件は廃止されました。

また、宅地建物取引業者が既存住宅を買い取って、住宅性能を向上させるなど一定の改修工事を実施したうえで個人へ再販売する場合に、宅地建物取引業者に課される不動産取得税を軽減する措置が設けられました。平成27年4月1日から平成29年3月31日まで2年間の適用となります。


登録免許税の軽減措置の延長

土地の売買による所有権の移転登記、住宅用家屋の所有権保存登記もしくは移転登記、住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の軽減措置は、適用期限が2年延長され、いずれも平成29年3月31日までとなります。


その他の主な改正

住宅に関連する主な改正としては、「特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の1,500万円特別控除」の適用期限が3年延長されたほか、サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制(不動産取得税および固定資産税)の適用期限が2年延長され、平成29年3月31日までとなりました。

また、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に規定する防災街区整備事業の施行に伴い従前の権利者が取得する一定の家屋に係る固定資産税の減額措置、市街地再開発事業の施行に伴い従前の権利者が取得する家屋に係る固定資産税の減額措置などについても適用期限が2年延長されています。


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