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柳家花緑の落語バレエ『おさよ』(6ページ目)

世界初・落語とバレエのコラボレーションに挑む東京シティ・バレエ団の『おさよ』。柳家花緑さんが手掛けた落語版ジゼル『おさよ』をもとに、バレエと落語を融合しかつてないステージを創造します。ここでは、5月の上演を前に開催された試演会に潜入! 花緑さんと東京シティ・バレエ団芸術監督であり理事長の安達悦子さんにお話をお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


他ジャンルとのコラボレーションに挑戦する意義をどう考えますか?

ph

 

安達>花緑さんは特別バレエに近い落語家さんですし、そういう意味では花緑さん=落語家の方とのコラボ、という訳ではないかもしれません。それでも落語がバレエと正反対の芸術だと認識したとき、大丈夫かなという不安がありました。ただ落語に親しんでいる方にバレエというまた全然違った芸術の在り方を知ってもらう、身体を使って、台詞を踊りで話していくというバレエならではの芸術に何か新しい楽しみを持っていただくことができたら、それが一番幸せだなと思っています。

花緑>落語とバレエのコラボは世界初なんですよね。それ自体まぎれもな
ph

 

い事実なので大きく謳わせてもらってますけど(笑)、僕自身初めてのことに取り組むのが好きなので、今までもそういうことをしてきた部分は大いにありました。今回は両極端だからこそ、良く出るか悪く出るかやってみないとわからない。先行きのわからないものをお見せするというのは、またひとつのチャレンジでもある。

落語でネタおろしをするときもそうで、良く出るか悪く出るかはその場になってみないとわからない。お客さまの胸を借りるじゃないですけど、噺家自体がそういう生き方をしてますよね。だからこそ入りたての前座の人間に15分間ドンと渡してしまう。こんな芸能なかなかないですよ。劇団だって、最初はひとことふたことの役だったりする。それが入って半年も
ph

 

経たない人間がいきなり舞台に出て、一番最初とはいえひとりで喋る。そこでお客さまに鍛えてもらう。ある意味、チャレンジに慣れているのかもしれません。やってみないとわからないというのは無責任と捉えられるかもしれませんけど、考えてみたらいつもの作業なのかなとも思います。

“世界初”がきいたのか今回みなさんものすごく興味を持ってくださって、反響がとにかく大きいんですよね。ウチの母も友達を連れて何十枚とすでに予約を入れてるらしいし、方々で観てみたいと言われて、すでに掴みはオッケイみたいなことになっています(笑)。

そうやって他ジャンルのひとが観ることでバレエの魅力に気付いてくれたらと
ph

 

思うし、もちろんバレエをお好きな方にこの噺を聴いてもらってどう感じたかというのは非常に気になります。ただ、どう思うかというのはお客さまのもの。飲食店と同じです。シェフは一生懸命料理を作るだけで、感想はお客さまのものなので、そこから先はもうどうすることもできない。お客さまを想像して最善を尽くすというのが、こちらにできる全てなのかなと思います。バレエだけの方が良かったとなるのか、いやコラボになって面白かったとなるのか、後はお客さまの判断に任せるしかない。そこはぜひ、みなさんに感想をお聞きしてみたいところですね。

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