新生活をスタートさせたみなさんへ
この4月から進学や就職で新生活をスタートさせたみなさん、おめでとうございます。希望に胸をふくらませ、新しい出会いに心はずませていることと思います。毎年4月は、新歓企画として、こちらやこちら、こちらのような記事をお届けしてきました。出会いや恋愛、パートナーシップのこと、二丁目やゲイシーンのこと、HIVやコミュニティ・サポート、人はなぜゲイに生まれるのか?など、ゲイライフに必要なだいたいのことは書いてありますので、ぜひ読んでみください。
若いうちはぜひ、仕事も恋も、ゲイシーンでの活躍も(それこそ若いうちです)どんどんチャレンジして、いろんな経験をしてみてください。今はゲイだからといって会社をクビになるような時代じゃないですから(万が一そんなことがあっても守ってくれる人たちがいます)、自信を持って、生き生きと、のびのびと。失敗もあるかもしれませんが、それすら糧になります、若いうちなら。
ゴトウが2015年の今、みなさんにお伝えしたいことは、「あきらめないで。願いはいつかきっと叶うから」ということ、そして「世の中捨てたもんじゃない」ということです。ゴトウがAll About[同性愛]のガイドとなった2008年には、GWのレインボーウィークもなかったし、大手企業がパレードに協賛したりとかもなかったし(そもそもパレードの開催が安定していませんでした)、まして7年後に公に同性パートナーの権利が認められるだなんて、誰も予想していませんでした。
ここに至るまでには、先人たちの長い長い努力の歴史があります。美輪さんから始まり、多くの書籍で世間にセクシュアルマイノリティを認知させた伏見さん、初めてパレードを開催した南さん、初のレインボー祭りで二丁目に花火を打ち上げた川口さんといった偉人たちをはじめ、勇気を出してパレードを歩いてきたみなさん、ボランティアスタッフのみなさん、地道な活動を続けてきた方など、何千人、何万人もの方たちの汗と涙が、今の「素敵」につながっているのです。ぜひこの連綿と続く「歴史」に連なり、よりよい「未来」をつくりだすためのバトンを受け取っていただけたら、と思います。
一方、今まで当たり前に享受できていたことも、ある日とつぜん奪われるかもしれない、今はそういう危うい状況だということも言えそうです、残念ながら。セクシュアルマイノリティの権利とは、黙ってても国が守ってくれるようなものではありません(戦争をしたがっているような人たちにとっては、邪魔なものでしかないでしょう)。何も活動家にならなくても、投票に行くとか、署名に参加するとか、Twitterでつぶやくとか、誰にでもできることがあります。どうか曇りのない目で世の中を見て、素直な心と「プライド」を失わずに生きていってください。