いつも楽しく、そして全力で大会に臨めるのは、そうした人々の支えがあってこそ。そう再認識することで、より大会という存在の素晴らしさ知り、そして感謝が生まれるはずです。
コース上の運営を支える人たち
スタートからゴールまで、沿道の応援はもちろん数多くのスタッフやボランティアがコース上で見かけられます。レース中、1人もスタッフに会わないという方はいないでしょう。大会規模によって人数こそ異なりますが、次のように様々な役割を持ち、多くの人々がその運営を支えています。スタートまでにも多くのスタッフの支えがある
スタートの号砲を鳴らす役割として、主に運営側の責任者や市区町村の長などが担います。ランナーは、その合図をいまかいまかと待ち望むことでしょう。一瞬の出来事ではありますが、時間ピッタリの号砲はとても大切。また、大規模な大会では号砲と共に花火があがったり、紙吹雪が舞ったりする演出も。こうした演出もまた、ランナーの気持ちを高めてくれます。
・コース誘導
河川敷などを除き、マラソンほどの長距離コースを直線のみで作ることは、不可能に近いでしょう。そのため、ランナーは曲がり角や折り返しなどを経てゴールまで走ります。このとき、コースを間違わないよう誘導してくれるのがコース誘導スタッフです。もしこのスタッフがいなければ、道を間違えてしまうランナーが続出するでしょう。あるいは地図などを確認しながらでは、記録を狙うことも難しいはずです。
大規模な大会において、エイドは切れ間なく忙しい
水やスポーツドリンク、あるいは食べ物などを提供してくれるエイド。長時間にわたり走り続けるマラソンでは、パフォーマンス維持のために欠かせません。大勢のランナーが走る大会では、次々に消費される飲食物の補充がとても大変。夏場のレースでは、「掛水」をしてくれるスタッフもいるでしょう。エイドでは、地域の中学・高校生などもボランティアとして多く参加しています。また、ランナーが転ばないよう、ゴミ箱に入れそこねたコップなどを回収するのもエイドスタッフの役目です。
・ゴールスタッフ
せっかくゴールしても、そこに誰もいないのでは盛り上がりません。ゴールテープを持ってくれる人、あるいはゴール写真を撮影してくれる人など、多くのスタッフがゴールに待っています。最近は計測チップが使われる大会もあり、疲れたランナーに代わってこのチップを外してくれたり、その場で記録証を発行してくれたりするケースも少なくありません。マラソンは、ランナーがゴールに着けば終わりではないのです。
走ってランナーを支える人たち
さらにマラソン大会では、実際に動いたり走ったりしながら、大会を支えてくれる人がいます。運営スタッフ外も少し含みますが、詳しく見てみましょう。・伴奏者
身体障害者などが安全に走れるよう、常に一緒に走るランナー。「伴奏」と書かれたゼッケンなどを着用して走るため、見かけたことのある人は多いでしょう。一緒に走る相手の目となり耳となって、ときに危険を回避すべく誘導。相手のペースに合わせて走るなど、非常に大変な役割です。
・ペーサー
大会によって設けられるペーサーは、決められたタイムに沿って走ります。4時間や3時間半、3時間など決められており、例えば「サブ4を目指す」というランナーなど、ペーサーを頼りについて走ることも多いでしょう。そのため、ペーサーは絶対に規定タイムをオーバーしてはいけません。時には周囲のランナーに気を配り、声を掛けたり、エイドで給水しやすいようにペースコントロールしたりすることもあります。「ペーサーのお陰で目標が達成できた」という経験を持つ方も、少なくないはずです。
・スイーパー
制限時間に合わせてエイドを回り、ゴールへ走るランナーです。「その人に抜かれたらゴールに間に合わない」という印にもなり、最後尾としてランナーを安全に走れるようフォローする役目も担います。また、大会によっては案内や旗などを回収しながら走ることもあるでしょう。
・メディカル
ランナーに万が一の事態が起きた際、救護にあたってくれるスタッフです。自転車で移動したり、あるいはエイド周辺にテントを張って待っていたりすることもありますが、大会によってはランナーとして一緒に走るケースが少なくありません。過酷な長距離レースでは、何が起きるか分からないもの。大事に至らぬよう支えてくれる他、メディカルスタッフの存在はランナーが安心して走るためにとても重要です。
この他にも、マラソン大会はさまざまな人達の支えで成り立っています。例えばエントリーの管理や案内発送、受付、あるいはコース手配に至るまで、実に多くの労力と時間が注がれています。ランナーは大会を思い切り楽しみ、全力を尽くすことこそが、一番の感謝表現と言えるでしょう。ときにはランナーではなく、ボランティアスタッフとして大会運営の裏側を覗いてみるのも良いかもしれません。