理想の姿勢は、鳩尾(みぞおち)が引き上がるイメージ
鳩胸(はとむね)、鳩尾(みぞおち)となぜかヒトの胸は鳩に例えられます。みぞおちは語源が「水が落ちる」ですから、当て字ということになります。胸を張るというと、みぞおちを開くというイメージが強いかと思います。そのために、多くの方は肩甲骨を背骨方向に寄せるでしょう。確かに胸は張りますが、背中も反ってしまうので、胸椎の自然な湾曲が減少してしまいます。これではいい姿勢どころか逆に腰への負担が増加してしまいます。また、お腹も伸びてしまい、これも腰への負担を高めます。
先ほどご紹介した、頭頂を持ち上げた感覚にすると、胸は開かずに持ち上がります。「開く」と「持ち上がる」は大きな違いです。
持ち上がる時には、鳩尾が「引き上がる」イメージになります。重力に負けない動きですね。その際肩甲骨は寄せず、胸の前に呼吸が入るような感じになります。また、同時にお腹が引き上がっていると、正しい引き上がりと判断できます。お腹は引き上がると薄くなり引き締まります。ポッコリお腹の改善にも効果的ですね。
姿勢と自律神経の関係
肋骨は肺などの臓器含め体の前にあるので、それだけでも重さが前にかかって体を前に倒そうとしています。頭頂を伸ばすと、自然と胸が持ち上がります。これによって肺は楽に広がりやすくなり、自然と胸式呼吸になります。よく健康のためには腹式呼吸が大事と言われます。しかし、実際は自律神経の影響で、胸式と腹式は循環しています。いい姿勢をとるときには交感神経が優位になり、胸式呼吸になります。リラックスすると副交感神経が優位になり、腹式呼吸になります。
つまり、いい姿勢とは基本的には交感神経の影響があるのですね。だらだらした生活をしていると、いい姿勢にもならないということが分かります。そして生活に張りがあると、いい姿勢になるとも言えます。皆さんの生活はいかがでしょうか?
キーポイントは「遠くを見る」こと
以上見てきたように、正しい姿勢は「遠くを見る」がキーポイントです。都市では、ビルが乱立し仕事はそのビルの中。携帯やPCは目の前……。遠くを見る機会が本当に減っています。ときどき夕日を見たり、星を眺めたりして、本来の姿勢を取り戻しましょう。
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