運動と健康/柔軟性・姿勢・コンディショニング・身体の動き

「関節痛」はあなたの何気ない癖が引き起こす

多くの関節痛、特に変形性関節症と言われる部類は、生活習慣が原因になっているものがほとんど。特別なスポーツ等をしていなくても、歩き方や姿勢などの日常の癖が関節に負担をかけているのです。今回は、関節の基礎構造と生活の癖から関節痛を紐解いていきましょう。

中村 尚人

執筆者:中村 尚人

理学療法士 / 運動療法ガイド

関節痛とは

関節に痛みがある状態を「関節痛」と言います。有名なところで言いますと、変形性関節症や慢性関節リウマチでしょうか。病気まではいかなくても、皆さんも関節がミシミシいうような感覚や、ピキッと走るような痛みを関節に感じたことはあるかもしれません。

関節は外側から皮膚、脂肪、筋肉、血管、靭帯、関節包、滑膜、滑液包、関節円板、軟骨、骨です。

関節は外側から皮膚・脂肪・筋肉・血管・靭帯・関節包・滑膜・滑液包・関節円板・軟骨・骨です。

一言で関節といっても、実際には多くの構造物でできています。外側から皮膚・脂肪・筋肉・血管・靭帯・関節包・滑膜・滑液包・関節円板・軟骨・骨です。

この中の何かに問題が生じると、神経を通して痛みとして感じるということになります。

関節痛の原因には、感染や外力による外傷後の炎症や、関節の間に筋肉や靭帯を挟み込む(インピンジメントといいます)ような圧迫による痛みも存在します。時には、関節液の貯留によって関節内が膨張することで、組織が伸張されて痛いということもあります。

関節と生活習慣の関係

原因によっては自分では致し方ないこともありますが、多くの関節痛、特に変形性関節症と言われる部類は、生活習慣が原因になっているものがほとんどです。

関節症の多くは、軟骨が磨り減ってしまい、徐々に骨同士が当たって摩擦され、骨の形が変わってしまうもの(変形)です。軟骨に遺伝的な脆弱性が存在するという報告もありますが、脆弱性があったとしても、その軟骨に負担をかけなければ壊れないわけですので、結局は使い方、つまり生活習慣に問題があるということになります。

ですから、サッカーや野球、相撲などのように関節を酷使するスポーツでは、現役もさることながら引退後にも関節の手術をするということも多いように思われます。
とはいえ、習慣的にスポーツをしていない方であれば問題がないかというと、実は体を左右に揺すったような歩き方や、片脚に頼りきった休めの姿勢のような何気ない癖も、関節に負担をかける原因になってしまうのです。

関節は膝や股関節などのように、目で確認できる分かりやすいところばかりではなく、背骨にある椎間関節や、首の環椎後頭関節、環軸関節、親指の付け根の第一手根中手骨関節など、一般的にはあまり知られていない関節も多く存在します。関節に問題が起こると動きに制限ができてしまうため、生活が徐々に不自由になってしまいます。関節の問題は命に直結はしませんが、生活の質という面ではとても重要な部分です。

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