『白い劇場』の活動期間は原則3年。1年目、2年目は国内で公演を、3年目は海外進出を考えているそうですね。
『白い劇場』稽古場にて
小野寺＞アーツカウンシル東京の申請書を書くにあたって、分かりやすい目標を掲げてみたんです。具体的なものはまだ何もないけれど、ゆるやかな夢は持っていきたい。口に出さないとなかなか始まらないので、そこに向かえる何かを探せたらと思っていて。海外が鉄板だとは言わないけれど、より広いところへ出ていきたいという考え方は水と油の頃からある。せっかく言葉だけではなく、イメージを伝える作業をしてるので、このカンパニーが続くのであれば当然外に出たいという願いはあって。ただ今すぐ外国に行きたい訳ではなくて、ひとつクリアできたらもうひとつステップがあるかもしれないって考え方。だから、3年でそこに行き着くのかな、というのはちょっとチャレンジですね。
藤田＞もちろん3年以上続ける可能性を視野に入れています。たぶん、今回がベースになっていくんだろうって気がしていて。ただ、メンバーはお互い束縛ではない形を探っていけたらと。来年の公演会場もおさえてあるけれど、どういう組み合わせになるかはまだ見えてない状態です。
小野寺＞追加募集の意味合いもあり、今年またオーディションを行う予定です。一新という意識ではなくて、契約更新という意味もあるオーディション。プロ野球の契約更新じゃないけれど、お互いにリフレッシュできればと。共通言語を獲得しようと今回は準備に随分時間をかけたので、是非続けてもらいたい。けれど、固定メンバーでずっとやらなきゃって決めるとキツイと思うんです。何とかルーティーンを回避したい。ただ積み上げていくべきものはあるし、続けたことは積み上がっていくはず。そして続けていく上で一番難しいのは、僕がどれだけ上から決めつけないかだと思います。教えるとか育てるのではなく、同じ目線で積み上げていくことを試していきたいですね。
第一回公演『分身』ではお二人は作り手に徹しています。今後『白い劇場』シリーズの舞台にお二人が立つことはありそうですか？
小野寺＞藤田さんは出るかもしれないけど、僕はどうだろう……。つくる側で修業しなきゃいけないものがもっとありそうだなって今は感じていて。出るという方向にあまりシフトを向けないで、つくる作業をもう少しやった方がいいのかなと思っています。でもまぁ出たがりだから、また“僕も出たい！”って言い出すかもしれない（笑）。機会を見て、一緒にやれることがあればいいなと……。といってもみんながあれだけ動いてるのを見ていると、付いていけないかもしれないけれど。そのときは、“みなさんすみません、よろしくお願いします！”っていう感じです（笑）。
