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小野寺修二×藤田桃子『白い劇場』インタビュー!(5ページ目)

コンテンポラリー・ダンス界の異才、小野寺修二さんが立ち上げる新たなスタイルのカンパニー『白い劇場』シリーズ。オーディションで募ったメンバーと共にクリエイションを行い、この春第一回公演 『分身』で初お披露目を果たします。ここでは、主宰の小野寺修二さんと藤田桃子さんにインタビュー。『白い劇場』シリーズ発端の経緯と、今後の展望をお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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第一回公演はドストエフスキーのテキストをモチーフにした『分身』。
この作品に着目したのは何故でしょう?

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『白い劇場』稽古場にて

小野寺>まずあの不条理感が面白かったし、群で動く良いモチーフはないかと探してたときにしっくり来たのがこの作品。ただ原作からどう飛ぶかっていう闘いはある。原作にはぎっしり情景が書いてあるけれど、内容はすごくすっきりしてるんです。その分、ドストエフスキーが本当に想ってたものは何だったんだろうと思って。

自分の分身がいるというショッキングな出来事があって、男が壊れていくけれど、実はその分身に対して思い入れがあるのではと。分身を見たときに驚愕しながら、“ああやっぱり”って思うところなんか、すごく分かる気がする。ただ不条理というのではなくて、自分と対峙したり、相手を見て自分を理解したりする。その相手を自分だとすると、まさにマイムになる。自分の中に他者を設定するというすごくマイム的な発想が原作に仕込まれていて、これを掘り出していくのは面白そうだなって直感があったし、このカンパニーを始めるにあたり最初に取り上げるにはいい作品だなと思いました。


みなさんそれぞれ役柄はあるのでしょうか。

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藤田>主人公の男はいて、その他は分身になったり、女が出て来たり……。今回身体で何でも見せたいと思っているので、美術の方もいないし、セットも椅子と机くらい。チケット代を少し安くしたいと思っていて、特に一年目はあまりお金をかけず身体でどこまで見せられるかという部分を探っています。

水と油は4人だったし、デラシネラも5人くらいの作品が大半でした。その全員がほぼ等分に役割を持っていて、主役もアンサンブルになれば、アンサンブルも急に役で出てきたりする、そこの妙で見せてきてた部分があったと思う。ただ今回は違う方向性を模索していて、それで試行錯誤している気がします。

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小野寺>13人となると等分というのはナンセンスだし、やはり役割を決めていかなければならない。でも主人公とアンサンブルという考えは、お芝居の機構に引っぱられてしまう気がしています。昔から、シーンの空気を身体であらわすことに自負があり、そこを詰めていきたい。捨てなきゃいけないものがあるのは理解してるけど、もうちょっと違う方法があるのではというせめぎ合いにいます。

例えば3人でできちゃうことを、13人でやるとする。3人に役柄を与えて残り10人はコロスでいる、というのはお芝居的発想ですよね。そうではなくてもう少し混ぜ込んでいきたいと考えたとき、迂闊にやると中途半端になる。でもコロス対主役と割り切れるかというと、それをあまり面白いと感じられない自分がいる。物語がある場合はそれでいけるけど、特にピースでつないでいったときに、残りの10人とならないようにしたい。“何であのひとたち出ないんだろう? あ、アンサンブルのひとね”って読まれる感じがイヤ。せっかく13人いるんだから、次誰が出て来るかわからないぞ、っていうスリリングさを求めているんですけどね。


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