日本全体のりんごの約55パーセントを生産する、りんご王国・青森県。県内外における青森りんごのPRを行う「一般社団法人青森県りんご対策協議会」の里村桃子さんは「青森のりんごは農家のみなさんのていねいな仕事で作り出されています。その作業はほとんど年間を通じて手作業です」と語ります。
「青森りんご」のおいしさの秘密は
ていねいな手作業と高い品質管理
たとえば剪定。剪定はりんご栽培の最初の仕事であり、青森では最も重要とさ
岩木山をのぞむ、青森県「アップルロード」
そして、高い栽培秘術だけでなく、青森ではりんごの品質管理についても徹底されています。「青森県には『CA貯蔵』という優れた特殊貯蔵技術があります。巨大なCA冷蔵庫に入れたりんごは、人間にたとえると眠った状態になるため、出荷する時点までりんごの命である鮮度を保つことができるのです」。だから、青森のりんごは1年を通して、鮮度がバツグン、獲れたての味わいを楽しめるのです。
青森のりんごといえば「ふじ」。注目は「トキ」
りんごにはいろいろな種類がありますが、青森で作られているりんごの半数以上が「ふじ」。世界で最も多くつくられている品種で、果汁が多く、甘味と酸味のバランスが優れたりんごです。「ふじが品種登録されたのは43年前。新たな品種が続々登場するなかで『りんご界不動のエース』として君臨しているのは、やはり『美味しい』からに他なりません。りんごビギナーの方が、どのりんごを買おうか迷ったときは、ふじがおすすめです」と里村さん。そのほかにも、青森ではさまざまな品種のりんごがつくられていますが、いま、
左から「トキ」、「ふじ」、「王林」
りんごのビューティパワーを
たっぷり取り入れるなら「皮ごとりんご」!
「りんごは美容と健康にもとてもおすすめ!」と語る里村さん。栄養学的にも食物繊維や、カリウムが多く含まれた身体にうれしいフルーツですが、近年、りんごに含まれる成分として、とくに注目されているのが『りんごポリフェノール』。抗酸化作用、肌を白くする作用、アレルギー症状を抑える作用や、最近は内臓脂肪の増加を抑える効果も期待されています。りんごポリフェノールの効能は、りんごの皮に近い部分に多いといわれています。だから、りんごは皮つきで食べるのがおすすめ。「『りんごは皮つきのまま食べても大丈夫……?』とよく言われますが、大丈夫です! りんごが光っているのでワックスを塗っていると思われている方もいらっしゃいますが、ノーワックスです」(里村さん)。
りんごの「つやつや」は実が熟してくるとリノール酸や、オレイン酸といった物質が増え、皮に含まれるメリシン酸や、ノナコサンといった物質を溶かす現象のせい。「これは『油あがり』といって、りんごがよく熟してきた証拠。安心して召し上がってくださいね」。むいてしまったらパックを裏返しで使っているようなもの!! もったいなさすぎです! ぜひ「りんご皮ごとビューティ」を!
※写真提供:青森県りんご対策協議会
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