色鮮やかな抽象画
小学生の作品 『色のあそび』
絵画活動の中でこども達と接していると、時には「絵を描くのが嫌い」とか「絵は苦手」というこども達と出会います。また、集中が持続せず途中で制作をあきらめてしまう子も。人間誰しも得意、不得意はあるものです。しかしながら、絵画活動に意欲的になれないのであれば、園や学校での表現活動時間が苦痛になったり、おもしろくなくなったりしてしまうのは残念です。
抽象表現主義の流れを汲むアメリカの色彩画家、サム・フランシス(Sam Francis, 1923- 1994)をご存知でしょうか。彼の作品は、様々な技法を用いた色調豊かな作品が印象的です。フランシスの作品の様に、色鮮やかな抽象画に挑戦してみましょう。様々な表現技法を体験し、物の形を写さず自由にのびのびと制作していくこの制作は、誰でも素敵な作品に完成します。新たな発見から想像をふくらませ、制作の楽しさおもしろさを味わいましょう。
まずは、様々な技法を知ろう!
ドリッピング絵筆や穴を開けたペットボトルなどを使って、紙に絵の具を滴らせたり、飛び散らせたりして描いていきます。筆を画面に直接触れずに描くので、偶然性に大きく左右される技法です。
筆先についた絵の具を飛ばして
スタンピング(型押し)
布を丸めて作ったタンポ、ティッシュを丸めたもの、スポンジなどを使ってスタンピングをします。
タンポでポンポン!
スパッタリング
目の細かい網に絵の具を塗りブラシでこすります。絵の具の霧を画用紙に飛ばしましょう。専用の網がない場合は、お料理に使う〈天ぷら用カスあげ〉で代用してもいいです。
絵の具の霧ができたよ
にじみ、たらし込み
水や絵の具を塗って紙を濡らし、乾かないうちに他の色を置いてにじませたり違う色を上からたらし込んだりします。偶然できた色の広がりを楽しめます。
左がにじみ、右がたらし込み