社会に出てからも通用する「学ぶ方」を身につける
文部科学省が「アクティブラーニング」という新たな学びのスタイルと推奨する背景には、このような時代の変化に応じた学びのスタイル変化があります。その考え方の背景にあるのがラーニングピラミッドという考え方です。
■ラーニングピラミッド
・講義を受ける(Lecture)
・読む(Reading)
・視聴する(Audiovisual)
・実演してもらう(Demonstration)
・議論する(Discussion Group)
・練習する(Practice Doing)
・教える(Teaching Others)
ラーニングピラミッドでは、学習効果が「講義を受ける」から「教える」へ順に高まっていくと考えられています。詳しくは、『学習効果アップの鍵「ラーニングピラミッド」とは?』にゆずりますが、大切なことは、教える側が学び手へ知識だけを伝達するのではなく、学び手が知識を得る方法や活用する方法までをも身につけることにあります。
例えば、色彩について講義で学んだだけでは、辞書的な意味での知識しか得られません。しかし、グループワークやディスカッションなどを通して、実際に商品パッケージの配色やロゴマークを調べたり議論したりすることで、学びが深まったり実践的な知識や技能へとつながると考えられます。
今では、世界的に有名やハーバード大学やマサチューセッツ工科大学を始め、日本の大学でも、講義形式の授業の代わりに、学生同士で議論させるなどアクティブな要素を取り入れた授業を行っている大学が増えてきました。
また、一般企業でも、新人研修や会議などで、グループワークなど「アクティブラーニング」の要素を取り入れるところが増えています。
つまり、「アクティブラーニング」は、学生や生徒だけでなく、社会人にとっても大切な学びのスタイルなのです。
生きた知識や行動へと結びつける学び
これからの時代、ただ座って勉強するだけでなく、ペアで学んだり、グループで活動したり、他者と共同(協働)しながら能動的に学ぶことが重視される時代と言えるでしょう。また、テストが終わったら忘れても支障がない知識ではなく、学んだことを実際の行動につなげられる生きた知識や技能を学ぶ時代とも言えそうです。
最後に、「アクティブラーニング」につながる本を紹介しておきます。興味がある人はこちらを読んで、実際に行動へと結びつけてみてください。
■大岩俊之著
・読書が「知識」と「行動」に変わる本(明日香出版)
ただ本を読むだけでなく、はじめに、目次、おわりに、を読んで概略をつかんだり、時間を意識して読んだりといった読み方から、読んだことをマインドマップにまとめる方法、本を読んで行動目標を設定することまでをまとめた一冊。
■この記事に関連したガイドの記事
・学習効果アップの鍵「ラーニングピラミッド」とは?