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脱・受験学力、新しい学習法「アクティブラーニング」

これからの時代に必要とされる新しい学力として、文部科学省が「アクティブラーニング」という学習スタイルを提唱してます。どのような学習スタイルを目指すものなのでしょうか。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

文部科学省は2014年、新しい時代にふさわしい学習指導要領の基本的な考え方の一つとして「アクティブラーニング」というものを提唱しました。この「アクティブラーニング」、いったいどのような学習スタイルなのでしょうか。

「アクティブラーニング=能動的な学習」

教えてもらうという受け身の姿勢から、自ら学ぶという能動的な姿勢を重視した学習スタイル、それがアクティブラーニング

教えてもらうという受け身の姿勢から、自ら学ぶという能動的な姿勢を重視した学習スタイル、それがアクティブラーニング

文部科学省の用語集によると、「アクティブラーニング」とは「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称」とあります。

「アクティブラーニング」とは文字通り、受け身で学ぶのではなく、学び手が自主的、主体的に学ぶ方法のことを指しています。

具体的には、発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習などがあてはまります。また、グループディスカッション、ディベート、グループワークもアクティブラーニングと呼べるそうです。

では、なぜ今、新しい学習スタイルが提唱されているのでしょうか。

学習スタイルは時代と共に変化する

日本で学校の歴史をさかのぼってみると、江戸時代の寺子屋で「読み」「書き」「そろばん」を教えていたのが始まりと言えそうです。この時代の資料を調べてわかることは、一斉形式の授業というよりは、おのおのが好きなことを学ぶ自学自習の形式であったということです。

明治時代になると、教師が前に立って多くの生徒に向かって講義を行う近代型の集団式の一斉授業になりました。

時代の変化に応じて、学びのスタイルも変化するものなのです。

勉強=座学という時代の終焉

集団式の一斉授業で学ぶことを、「座学」と言いますが、座学は、日本が近代化をすすめるのに大いに役に立ったと考えられます。しかし、近代化を終え、高度に社会が発展してくると、「座学」での学びだけではうまくいかないケースが多く見られるようになりました。

近ごろ、学校現場で授業が成り立たない「学級崩壊」という現象が問題視されています。これは子どもたちに落ち着きがなくなったという見方も出来ます。一方で、伝統的な座学という学びのスタイルが、今の時代、今の子どもたちに合っていないのではという見方もあります。

確かに、ITの普及で、インターネットを通して動画を視聴したり、タブレット端末などを使って「タップ」や「フリック」しながら学んだり、視覚や聴覚、動作を交えて学んだりと、学びのあり方もずいぶんと変わってきました。ただ座って話を聞くだけではつまらないと感じる子がいても不思議ではありません。

高度に情報化された社会だからこそ、必要とされる知識や技能はますます増えています。こうした膨大な知識や技能を、ただ一方的に学ぶだけでは消化しきれないという事態につながりかねません。

学びを深めたり広めたりするためには、学び手が学んだことを活かし、さらに次の学びへとつながることが必要なのです。

勉強=受験勉強ではない

一般に勉強というと、高校受験や大学受験のための勉強、つまり受験勉強のことをイメージする人が多いかもしれません。

しかし、美容や健康のためにヨガやダンスを習ったり、趣味で絵画を習ったりするのも勉強と言えば勉強です。資格の取得や就職のために勉強するのも勉強と言えます。

最近になってようやく、勉強というものは受験が終わっても生涯にわたって続くものという生涯学習の視点が重視されるようになりました。

これからの時代、受験でしか通用しない学力だけではなく、社会に出てからも通用したり、活用できたりする力を身につけることが必要なのです。
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