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映画『ストックホルムでワルツを』魅了の北欧デザイン(2ページ目)

【石川 尚の気になるデザイン】シリーズ。1960年代のスウェーデン。シングルマザーの電話交換手から世界有数のジャズシンガーになった実話を映画化。ストーリーもさることながら、当時の北欧デザインがたまらない! 取材協力:ブロードメディア・スタジオ株式会社

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

ファニチャーイストにもたまらない北欧ミッドセンチュリーデザイン

映画の見所は、なんといっても1950年から1960年代の北欧デザイン。

家内のシーンundefined

家内のシーン ●クリックすると拡大します。


当時のインテリアや家具デザイン界では、デンマークのアルネ・ヤコブセン、フィンユール、ヴェグナー、フィンランドのアルヴァ・アールト、またグラフィックデザインではスウェーデンのオーレ・エクセルらが活躍した北欧ミッドセンチュリーデザインの全盛期。
椅子に掛け電話のシーンundefined

椅子に掛け電話のシーン ●クリックすると拡大します。


画面では、家具やインテリアアクセサリー、雑貨はもちろん当時60年代のテイストの数々・・・古風なシルエットのワンピースや温かい色使い、幾何学模様のニット、レトロフレームの眼鏡や小物など懐かしいファッションなどたくさん登場します。

昨今リバイバルしていますよね、この時代のファッションは。

パーティーのシーン

パーティーのシーン ●クリックすると拡大します。


ストックホルムのレトロな街並に似合うサーブやメルセデゼスなど60年代のカーズも、たまりませんねぇ。

ストックホルムの街のシーンundefined

ストックホルムの街のシーン ●クリックすると拡大します。


存在感のあるヤコブセンのセブンチェア

様々な当時の椅子も登場します。

中でも、さりげなく部屋のインテリアアイテムとして配置され、映画の1シーンとして心に残るヤコブセンのセブンチェア(肘つき)。

セブンチェアは、独特な背の形状と背の形状に沿うように肘が添えられ、美しい造形をもつ椅子です。

成型合板(薄い板を何枚も張合わせ、型に入れて成型した板)で座り易く計算された一体の座と背。合板のベンディング(しなり)が程よいクッションとなり心地よい座り心地。
ヤコブセンのセブンチェア

ヤコブセンのセブンチェア ●クリックすると拡大します。


背が機能的で且つ造形的な椅子はたくさんありますが、中でもセブンチェアは横綱級です。座から背の上部にかけて広がるラインは、まるで人間のようです。椅子を配置する空間(部屋)とそこで暮らす人の感性・感情を紡ぐ存在として椅子の有り様にウン、ウンとうなずいてしまう椅子ですね。

映画では木製でシブめの椅子ですが、現在ではカラフルに塗装されたタイプもあり、なかなか「カワイイ」椅子でもあります。

セブンチェアは、デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンの代表作のひとつ、そしてまた、ミッドセンチュリーデザインの名作椅子の代表格です。発表は1955年ですから、今年で誕生60周年。

**余談ですが、60周年を記念して製造元のFRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)のポップアップストア&カフェが、2月7日(土)にオープンするとのことです。ご興味のある方は是非この機会に**

最後に次のページでもつひとつの見どころ、モニカの歌について。
実在のモニカ同様の美貌とチャーミングに奏でるエッダ・マグナソンが、、、いやぁ~たまらなくいいんだなぁ、コレが。

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