今回はネット黎明期に関するトリビアの泉をご紹介します。
<目次>
■インターネットで最初に流れた文字はLO
■元祖ネットアイドル Yo
■ネット接続するために必ず通る稟議書の書き方を教えます
インターネットで最初に流れた文字はLO
インターネットが始まったのは、今から40年以上前の1969年。きっかけはユタ州で起きた電話中継基地の爆破事件です。爆破によって電話がストップ、アメリカの国防回線が一時的に止まってしまいました。当時はソビエトとの冷戦時代、1962年には第三次世界大戦の寸前までいったキューバ危機が起きています。電話がやられただけで国防回線がストップするようでは国が守れません、そこで核戦争にも耐えうる通信システムの研究が開始されます。
研究の成果として目的地までの経路を自ら考えながら経路制御するルーターの元祖「IMP」が考え出されました。分散システムの登場です。どこかの拠点がやられてもIMPが迂回路を考え、目的地まで情報を伝達します。中継基地がやられても大丈夫ということです。
IMPの1号機はUCLA(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校)に設置されました。続いてスタンフォード研究所、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、ユタ大学にIMPが設置されます。
ARPA(国防総省高等研究計画局)が予算を出し、作られたネットワークですのでARPANETと名付けられました。これがインターネットの元祖です。
11月21日はインターネット記念日
専用回線上で実際にデータ伝送されたのは1969年10月29日。ロサンゼルスのUCLAとシリコンバレーのスタンフォード研究所(SRI)との間の実験です。UCLAからスタンフォード研究所に「LOGON」(ログオン)というデータが送られました。最初のLとOの文字が送られたことは電話で確認されています。ですが、この時点でシステムダウンしてしまいました。原因はスタンフォード研究所側のバグ。午後には修正し、UCLAからスタンフォード研究所へログオンすることができました。ですのでインターネットで最初に流れた文字はLOとなります。
1969年11月21日からARPANETの実験がスタート。実質的にこの日がインターネットのスタートとなり、11月21日はインターネット記念日になっています。
数奇な運命をたどった榎本武揚の電信機
インターネットの大先輩である電話、電信についてみてみましょう。意外に古い歴史があります。1876年3月10日、マサチューセッツ州ボストンで電話を発明したグラハム・ベルが電話で最初に送った言葉は「ワトソン君、ちょっとこっちに来てくれないか」 でした。言葉を聞いたワトソン君がベルの所に来て、実験は大成功。
1844年5月24日にサミエル・ モールスがワシントンーボルチモア間に電信を開通させます。この時に送られた電文は「神が造り給いしもの」でした。この電信技術を日本に紹介したのがジョン万次郎。
幕末、幕府の命令で開陽丸の回航のためオランダに向かった榎本武揚が江戸-横浜間に電信を引こうと考え、オランダで電信機一式を購入して開陽丸に乗せて戻って来ます。ところが幕末のゴタゴタで行方不明になってしまいました。
時が流れ、古道具屋に並んでいた電信機を買い取ったのが沖電気工業の創業者。電気学会で、この逸話を話していたところ電気学会会長だった榎本武揚が、自分がオランダから買ってきた電信機だと気づきます。20年ぶりの対面で一同大いに驚き、電信機は当時の逓信省に寄贈されました。現在は東京駅近くにある逓信総合博物館で展示されています。
ちなみに電信電話記念日は10月23日。1869年(明治2年)10月23日に、東京-横浜間で電信線架設工事が始められたことを記念してできました。
次は「元祖ネットアイドル Yo」です。