企業のIT活用

ユーザに好まれる企業のメルマガ活用(2ページ目)

SNSの普及などに伴い、私たちを取り巻く情報収集やコミュニケーションの手段は多様化しました。しかし今なお、メルマガは企業にとって、情報発信や顧客とのコミュニケーション、マーケティングなどのビジネスシーンにおいて有用性の高いツールです。そこで、ユーザにより読まれやすいメルマガのポイントを、構成・内容・タイミングの視点から挙げてみました。効果測定を繰り返しながら、ぜひ、メルマガ運用にお役立てください。

長谷川 渉

執筆者:長谷川 渉

企業のIT活用ガイド

構成:タイトル(件名)、ヘッダ、本文、フッタとパートを分ける

メルマガで最初に見るのは、他のメール同様にタイトル(件名)になります。

タイトルの内容によって開封率は大きく変わってきますので、本文の内容に沿ったもので、長くなり過ぎないように気をつけましょう。

使用しているソフトの設定や端末によって多少異なりますが、パソコン向けのメルマガであれば全角25文字(半角なら50文字)以下、スマホ・携帯向けであれば全角15文字(半角なら30文字)以下が、画面上に省略されずに表示される理想的な長さになります。

平日配信のメルマガは、通勤・移動中に読まれる前提で構成

平日配信のメルマガは、通勤・移動中に読まれる前提で構成

メルマガ本体のヘッダ部には、目次や要約など、サッと見るだけで今回のメルマガの概要を把握できるようなエッセンスを記載しておくことで、ゆっくり読む時間のないユーザにも目を通してもらいやすくなります。

本文は、段落ごとに小見出しを付け、情報を分けましょう。

最後のフッタ部では、連絡先(問い合わせ先)を明記しつつ、案内した商品URLなどを再掲載して、詳細情報への誘導を忘れずに行いましょう。メルマガの解除方法なども明記しておくと、「誠実な発行元」という印象を持たれやすくなります。

内容:押し売りはNG

メールアドレスを収集する主な目的は見込み客の獲得ですが、集めた見込み客にメルマガを送る二大目的は、新規購買の喚起と、リピート購買の喚起(顧客フォロー)。メルマガといえば、あらゆる顧客に対して同じ内容を一斉送信、というスタイルが少なくないようですが、自社の商品・サービスをまったく購入していない顧客(候補)と、一度でも自社の商品・サービスを購入した既存顧客に対するメッセージは異なるはずです。

見込み客(顧客候補)に対するメルマガの場合、メールアドレスの取得経路(他メルマガへ出稿した広告経由、ホームページのフォームからの登録、セミナー参加者等)や属性によって、効果的なメッセージは異なるでしょう。

いずれも、より購買行動につなげるアプローチの手段として、相手の興味やタイミングにマッチしたメルマガを届けることが目的ですので、押し売りはNG。多くの人が「このメルマガはいつも宣伝ばかりだな……」と感じた経験があるかと思いますが、一方的な商品の情報提供ばかりだと、読者は容赦なく、「押し売り」とカテゴライズします。

メルマガにはマーケティングツールとしての側面もありますから、宣伝自体はOKなのですが、宣伝的要素を入れるにしても、読者への共感が大前提となります。自社が提供している商品やサービス、あるいはメルマガで紹介する情報が、読者が抱えている問題の解決や願望の実現に役立つというアピールがなければ、反応も得られません。

その際、セールスレターなどのライティングで使われる、「PASONAの法則」を取り入れてみるのも効果的です。

【Problem(問題)】 : 問題点を明確化する
【Agitation(扇動)】 : 問題点を煽り立てる
【Solution(解決策)】 : 解決策を示す
【Narrow down(絞り込み)】 : 顧客や期間を限定する
【Action(行動)】 : 行動を呼びかける

チラシではありませんので、さすがに毎回この調子というわけにはいきませんが、上記の流れに沿って文章を書いてみると、ユーザの求めていることに訴求しやすくなります。

自分が購読しているメルマガをなぜ読んでいるのか、ということに意識を向けてみるのも役に立つでしょう。

タイミング:適切な配信頻度、時間とは?

内容やターゲットごとにベストな配信タイミングを検証しよう

内容やターゲットごとにベストな配信タイミングを検証しよう

ユーザの満足度を上げるには、内容やターゲットによって、配信のタイミングや時間帯を変えることも重要なポイント。既存顧客に対するメルマガの場合でも、購入した商品・サービスのカテゴリや回数、時期、購入ボタンをクリックした時間帯などによって、コンテンツの内容や配信時刻を変えるべきです。

例えば既存顧客のビジネスマンがターゲットであれば、通勤中にチェックできるよう、短くてすぐに役立つ情報を平日7時前後に配信し、商品・サービス紹介は週末だけ配信するといったようなイメージです。

顧客フォローとしては、例えば日数限定のお試しセットを注文した顧客に対して、使い切る5日前と使いきった直後に届くようにメルマガを送る(配信時刻はお試しセット注文時刻の前後で固定)など、予め配信内容とスケジュールを設計しておくことも効果的。

いずれも定期的に効果測定をしながら、ベストな配信時間や内容を検討しましょう。
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