クララといえば、バレエ団の中でも代々のトップダンサーが踊ってきた役。
また今回は、もうひと組のペアをボリショイ・バレエのエフゲーニャ・オブラスツォーワとシュツットガルト・バレエ団のマライン・ラドメーカーが務めます。大役への抜擢に、緊張感を覚えることはないですか?
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“子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』”(C)Kiyonori Hasegawa
ただ舞台に立つまでは緊張することもあるけれど、いったん出てしまうといつも楽しんで終わっちゃう。昔からそう。自分が楽しまないときっとお客さんにも楽しんでもらえないだろうなって考えているので、観ているひとより何より自分が楽しくあろうと思っています。
でも、さすがに“子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』”で初めてオーロラ姫を踊ったときは緊張しましたね。東京バレエ団に入って初めてひとりで踊った役だったので、本当にドキドキしました。
今回のクララ役も、めいっぱい楽しみたいです。なかでも一番ワクワクするのが、人形だったはずのくるみ割り人形が王子様になる瞬間。クララには、王子様に対する憧れがあるんだと思う。王子様と一緒に冒険に旅立つ瞬間は、きっと“ここから何が始まるんだろう!”っていうトキメキがあると思うし、踊っている私自身もそれを感じられるんじゃないかなという気がしています。
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『くるみ割り人形』リハーサル (C)Shinji Hosono