バスタブで鯉を飼う!? ポーランドの「鯉料理」
普段は肉料理がメインのポーランドもクリスマスだけは鯉が主役に!
カトリックが国教になっているポーランド。カトリックではクリスマスイブには肉料理を控えることになっており、伝統的な魚料理を楽しむ人がほとんどです。そんなポーランドのクリスマスディナーでは、“鯉のフライ”がメインディッシュ。12月も半ばをすぎると、あちこちに鯉を売る屋台が出たり、スーパーに特設水槽が設置されたりして、そこら中で鯉を見かけるようになります。新鮮なものを食べたい人は、生きたまま買って帰って、当日までバスタブで泳がせておくというからスゴイですよね。
ポーランドでは、イブの夕食は12使徒にちなんで12の料理を食べるのが伝統。さすがにそこまで用意しない家庭もあるようですが、それでも6品くらいは並ぶというからかなり豪華です。ちなみに鯉を食べる習慣はチェコにもあります。
悪魔の化身で厄払い!? イタリアの「鰻」
シンプルに揚げてレモンを添えた鰻のフライ
日本では“土用の丑の日”のイメージが強く、夏に食べる人が多い鰻ですが、イタリアではクリスマスからお正月にかけてがよく食べられます。イタリア語でアンギラ(anguilla)という普通の鰻は他の時期にも食べるのですが、この時期に食べるのはカピトーネ(capitone)というメスの大鰻。いわば、クリスマス時期の高級バージョンで、日本の鰻よりも大きく、肉厚で脂がのっています。
食べ方は、ぶつ切りしてフライなどにしたり、煮込み料理にしたり。そもそも鰻は“悪魔の化身”と考えられており、食べることで厄を払おうという意味があるそうです。
お祝いには欠かせない、フィリピンの「レチョン」
外はパリっと、中はジューシーな「レチョン」 (c)ASEAN-Japan Centre
キリスト教国であるフィリピンのクリスマスパーティには、豚の丸焼き「レチョン」が欠かせません。レチョンは丸焼きの意味で、牛や鶏のレチョンもありますが、一番人気はやっぱり豚。そのため正式にはレチョン・バボイ(豚のレチョン)と言います。
中にハーブやニンニクなどを詰めて炭火でじっくり焼き上げてあり、見た目のインパクトもあることから、文句ナシにパーティの主役料理。クリスマス限定というわけではありませんが、クリスマスを始めとするお祝いごとには必ずといってよいほど登場します。逆にいうと量が多いし、高価なので、特別なときに限られるのですね。さすがに自分で作るのは大変なので、オーダーするのが一般的。ただ、フィリピンの代表的な料理でもあるので、丸ごとでなければ、レチョン専門店や量り売りの屋台などで旅行者も気軽に食べられます。
番外:クリスマス機内食
クリスマスの日にフライトをする人は機内食を要チェック。実は、航空会社の中には、クリスマスだけの特別な機内食を用意しているところも少なくないんです。過去にはローストターキーやクリスマスケーキを用意したり、オードブルやデザートをクリスマス仕様に変更していたところもありました。他にはチョコレートなど小さなプレゼントなどをくれる例も。もちろん、すべての航空会社がやっているわけではないですが、もしかすると嬉しいサプライズに出会えるかもしれませんよ。