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ジョゼ・マルティネズ インタビュー!(4ページ目)

ジョゼ・マルティネズ率いるスペイン国立ダンスカンパニーが、この冬待望の来日を実現! マルティネズの振付作『天井桟敷の人々』を含む、世界に名だたる振付家の名作5演目を一挙上演します。ここでは、開幕に先駆けマルティネズにメールインタビューを敢行! 来日公演への想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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スペイン国立ダンスカンパニーの芸術監督に就任して3年が経ちます。
これまでの手応え、成し得てきたとものとは?

マルティネズ>ナチョ・ドゥアトが芸術監督を務めていたときは、ネオ・クラシックかコンテンポラリー作品のみ踊っていました。国立のバレエ団というよりは、ドゥアトというアーティストのカンパニーだったんです。全ては、ドゥアトが去った2010年に変わりました。

スペイン文化庁から芸術監督として任命されたとき、私は全てのレパートリーを再構築しなければならなかった。ですから、スタート時はかなり大変でした。私はもともとパリ・オペラ座にいたので、ダンサーたちは私が『ジゼル』や『白鳥の湖』をレパートリーに入れるだろうと思っていましたし、大半のダンサーは長い間クラシック作品を踊っていませんでした。

その上、ドゥアトが彼の作品を持って去ってしまったので、カンパニーにはレパートリーが何も残っていませんでした。事実、2011/2012年シーズンは何の公演も予定されていなかった。私の最初の使命は、2011年の最後の4ヶ月間で、フォーサイス、プレルジョカージュ、ヨハン・インガー、アレハンドロ・セルード等の作品を、2012年1月公演のプログラムとして準備し、構築することでした。

以来、徐々にレパートリーは広がり、公演数も増えました。2012年は36だった公演数が、2014年には70公演になりました。海外公演に関しては、国内公演の倍になっています。現在、レパートリーには『ライモンダ』、バランシンの『アレグロ・ブリランテ』、『フー・ケアーズ』、フォーサイスのいくつかの作品などがありますが、こうした国際的に活躍する振付家の作品と同様に、スペインの振付家が我々と仕事をするために集まって来ています。おそらく、私がイメージしているカンパニーのルネッサンス期と言えるでしょう。

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『ヘルマンシュメルマン』  (C) Emillio Tenorio

 

今後の展開、課題をお聞かせください。 

マルティネズ>今、我々はふたつの大きなプロジェクトを抱えています。まず、スペインのカンパニーとして完璧なアイデンティティーとなるような作品をつくりたいと考え、『ドン・キホーテ』の全幕の創作に取りかかっています。このためにはダンサーの数を増やさなければなりません。同時に、ヨハン・インガーが新たに『カルメン』のコンテンポラリー版を創作予定です。この二大プロジェクトによって、ますます海外公演が増えることを期待しています。


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