15年前より圧倒的に多くのコミュニティに属している
子育てには、場所のコミュニティが必要
2部は、蛯原英里氏、チームラボ代表の猪子寿之氏、issue+design代表の筧祐介氏の3氏が『マンションの新しい捉え方』というテーマでトークセッションが行われた。蛯原英里氏は、出産3カ月の新ママ。宮崎出身で、マンション住まい。ママ同士のコミュニティに入るのに緊張するという。筧祐介氏は、ソーシャルデザインをメインに自治体などの課題をデザインで解決する仕事で年の約半数は出張とのこと。猪子氏は、東京大学工学部卒業と同時にチームラボ創業。テクノロジーとアートを融合させ、11月29日から日本科学未来館で『踊る!アート展と学ぶ!未来の遊園地』を企画展示するなど新しいワークスタイルで注目されているひとり。セッションは、猪子氏「場にはコミュニティはない」発言でスタートし、筧氏の「自分は地域のコミュニティに全然入っていない」といった展開になり、フェイスブックやLINEなどソーシャルメディアで多くの人がコミュニティを持っている中で、マンションでコミュニティは必要かといった興味深い話に展開しました。
その中で、出てきたのがお母さんが子育てで孤立する「個育て」の問題などかつては、地域集団で解決できた悩み。地域の集団で育ったかつての子育てが都市化によって、難しくなってきていることが浮彫になりました。人のライフスタイルは様々でコミュニティをマンションに求めない人もいるでしょう。議題に挙がった「子育て」や「老人の孤立」といった課題は、マンションや地域のコミュニティにおいて大きな課題かもしれません。
テーブルごとに、『ワクワクするマンション』を考える
未来のマンションは、どう変わるのか?
午後6時半スタートした、シンポジウムも既に8時50分に。各テーブルには、おにぎりとお菓子が配られ、エネルギーを補充しつつ3部のワークショップがスタート。テーブルごとにワクワクする未来のマンションをテーマに、どうやったら実現できるかが話し合われました。テーブルごとに、「自給自足型」や「レリゴー(ありのまま)型マンション」、「SHAREするのが楽しいマンション」などいろんなテーマで活発な議論が行われました。ちなみにガイドのいたテーブルでは、『子供同士のコミュニティが活発なマンション』を選び、「秘密基地がある」「子供自治会がある」「マンション同士の対抗戦がある」など自由な意見を交わしました。
3部を通じて感じたのは、サンシティの例を見てもわかるように40年前と比べてマンションに対する意識の変化とテクノロジーの発達。住宅スゴロクの上がりにマンションを選ぶ人が増える中、住みかえをしない人も増えてくるかも知れません。また、コミュニケーションツールがソーシャルメディアの発達で変わる中、人とのネットワークがかつてよりも強まっているのは確かだと思います。
とはいえ、「子育て」や「老後」といった課題は、場でなければ解決できないのも事実です。マンションのあり方も社会のニーズの変化とともに特にソフト面で変わっていくのではないでしょうか。
【関連サイト】
◆サンシティのホームページ
◆チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地
◆サスティナブル・コミュニティ研究会