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国宝と共鳴させたLEDライトアップ―白水阿弥陀堂(2ページ目)

紅葉の時期に合わせて実施された国宝白水阿弥陀堂のライトアップ。2014年の今年は2つの新しい光が加わり、昨年に増してさらに空間に趣のある照明効果が得られていました。2つの光は特注器具によって作られ、一つは路地行灯風、もう一つは池に浮かぶ古代ハスをイメージしたものです。これらの光は阿弥陀堂の庭園、といった特殊な空間だけではなく、住宅の庭照明の演出にも参考となるのではと、考えます。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

池に浮かぶように光る照明器具

阿弥陀堂の両サイドにある池の古代ハスも有名で、夏は池に花が咲き、新緑の緑の中に薄いピンクの花が美しい景観となります。

古代ハスをイメージした照明器具

写真4. 古代ハスをイメージした照明器具

今年はこの古代ハスをイメージして、既製品のグローブ型のフローティングライトに特注でハスの花をイメージした花弁を取り付けました。花弁はあえて人工的な制作物であることを強調し、ステンレス製のパンチングメタルで製作しました。(写真4)

古代ハスをイメージした照明器具

写真5.カラーフィルターを内蔵して点灯した状態

ランプはLED0.5Wの電球色を使用しましたが、予備設置の際にややまぶしく感じられたので、直管の蛍光ランプ用のカラーフィルターを使用して、グレアキャップを作成して取り付けました。キャップはハスの花に多い濃いピンクと白を連想させるような色を3色混ぜて使用することで、色の変化も楽しめるようにしました。(写真5)

実際に咲いている蓮の花は種類によって花弁数が異なります。それは多いもので100枚を超え、少ないもので10数枚の花もあるそうです。

今回製作した器具はその少ない花弁の蓮に似せています。また花径は20~30cmが多いので、器具の大きさもできるだけそれに近づけることにしました。花弁のデザインにあたって、初めは紙で大きさなどのバランスを試作し、次に光をどのように受けるかアルミのパンチングメタルで質感や形状を確認してから、フローティングライトのメーカである(株)タカショーに製作を依頼しました。

風のない静かな夜は池の水面が鏡状になります。そこに光のハスが映り込みます。その様子は美しく、しかし波立っているときはまた違った照明が期待でき、天候で効果が変わる面白さがあります。運が良ければ一夜で、その二つの光を体感できた方も多かったと思います。(写真6)

古代ハスをイメージした照明器具

写真6. 古代ハスをイメージした照明器具

今年のイベントは、以上の2つの光が加わったことで、空間に新たな趣を深める演出となったのではと、私たちは考えます。
2014年度の紅葉ライトアップの様子は白水阿弥陀堂紅葉ライトアップのfacebook からもご覧になれます。

写真3.要約写真提供:金子俊男


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【関連記事】
「白水阿弥陀堂の照明から屋外照明のあり方を考える」
「国宝白水阿弥陀堂 ソーラー発電の紅葉ライトアップ」
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