誤解されている間接照明の解釈

照明と言えば、最近は間接照明が良く使われています。住まいで、新築や増改築の時に間接照明を導入したいという家は少なくありません。

では何故「間接照明」なのでしょうか。それは間接照明の言葉にお洒落や高級感などといったイメージがあるからでしょう。

しかし、間接照明を行っている空間の全てがお洒落かと言えば、そうとは限りません。また高級感のない間接照明だって少なくありません。

それらは内装材の、特に天井・壁の素材や仕上げに問題があったり、内装材に合った光源の選定を行っていない、また、建築デザインに対して光源の位置や収まりが適切でなかったりすることで起こります。

ここで初心に戻って、そもそも間接照明とはどんな照明のことなのでしょうか。
よく光源が直接見えない、例えば和紙で覆われた提灯のような器具の光も間接照明と説明していることがあります。雰囲気としては分かりますが、照明学的に言えばこれらは全般拡散もしくはそれに近く、間接照明とは言いません。
配光別器具の分類

図1 配光別器具の分類。間接と全般拡散の間に半間接照明がある

間接照明とは光源または照明器具から放射された光のほとんど(90%以上)が天井や壁面を照らして、その反射光が床面や作業面を明るくする照明のことです。(図1)

間接照明の種類

図2 おもな建築化照明

スポットライト器具を使う

写真1 スポットライト器具も照射向きによって間接照明になる

図2のような建築化照明の中でコーブ照明やバランス照明、及び写真1のようにスポットライト器具を天井に向けて照明すれば、それらは間接照明になります。

コーニス照明もランプの配置と遮光の仕方によって間接照明になります。

間接照明はダウンライト照明のように直接作業面や床面を照らす照明ではないので、照明効率の悪いイメージがあります。

特に天井と壁面が暗い仕上げだと、光はそれらの面に多く吸収されてしまい、反射光が少なくなる分、床や作業面の照度が得られにくい問題があります。

間接照明を行う際の注意点

もう一つ重要なのは、いくら天井や壁面の反射率を高めた素材を選んでも、天井高さに対して空間が狭いと、照明効率が下がります。

例えばトイレのような狭い空間で、明るさを必要とする場合は幾ら部屋の反射率を高めても思うような照度が得られないので注意する必要があります。

一般に天井の間接照明は天井面を白色、もしくはそれに近い明るい色が使われます。しかし、木で天井や壁を構成することも珍しくありません。そのような空間でも間接照明を行うことがあります。

木と言っても杉や檜のように明るいものは50~60%と比較的高い反射率をもっているものもあり、広い空間であればある程度の明るさも期待でき、さらに反射光の照り返しが柔らかいので目に優しい効果が得られます。

一般に木はその温もり感をより高めるために、暖かい色味を多く持つ白熱灯が良く、またコーブ照明であれば電球色の蛍光灯、もしくはライン形LED、蛍光灯型LEDが奨められます。(写真2) 
木質仕上げの天井にコーブ照明の例

写真2 木の天井にコーブ照明の例 上:電球色の蛍光灯を使用 下:白色の蛍光灯を使用


このように間接照明の効果は部屋の色や仕上げ、規模に大きく影響するため、計画にあたってはその辺を十分に考慮しなければなりません。

次のページでは「残念な間接照明」についてご紹介します。