家電製品は増えたのにコンセントは昔のまま?新築で後悔も

例えばパソコンまわり。コンセントは不足やタコ足配線に悩む声は多い。
また新築時に時間を掛けて吟味したつもりでも、図面の段階で必要なコンセントの位置を全て把握するのは難しく、住んでから気付いて後悔したという声も聞きます。
結局、コンセントの数が不足してタップを使っている、位置が悪く届かないので延長コードを使っているということも。中には、いつの間にかタンスの裏になってしまい、大掃除の時に発見したなんてケースもあります。
タコ足配線や家具の裏でホコリをかぶったまま放置されたコンセントは、火災の恐れがあり危険です。また家の中にあちこちコードが這いまわっているのは、見ためが悪いのはもちろん、足に絡んで転ぶ危険があり、ホコリが絡んで掃除も大変です。
そこで我が家のコンセントの数と位置の見直しをしてみましょう。チャンスはリフォーム時です。内装工事の際に一緒に増設と移動を行えば、意外と手軽にできます。
リフォームでコンセントを増設したら、ブレーカーが落ちるように

ブレーカーが落ちる原因は配線に問題があるケースも。エアコンは1回路に1台をつなぐ。
注意したいのはコンセントの数を増やしても、使える電気容量が増えるわけではないということ。かと言って、やみくもに分電盤(※)の容量を大きくしても、意味はありません。
(※)分電盤とは電気を使いすぎた時、安全のために自動的に切れるようになった遮断機(ブレーカー)をまとめたBOXのこと。電気はこの分電盤を通して、屋外から家の中へ運ばれています。
各家庭で使える総電気容量は電力会社との契約によって決まり、これを超えると主ブレーカーが落ちるようになっています。この主ブレーカーが落ちると、家全体が一気に停電します。主ブレーカーが落ちる原因には、全体の電気容量不足が考えられます。
次に、主ブレーカーを通ってきた電気は、分電盤の中でいくつかの回路に分けられて、各部屋のコンセントや照明などに配線されています。この回路には小ブレーカーと呼ばれるスイッチが付いていて、1つの回路内で電気を使いすぎると自動的に切れるようになっています。この小ブレーカーが落ちると、家の中の一部だけ停電します。小ブレーカーが落ちる原因には、その回路内での電気容量不足が考えられます。
見掛けることが多いのが、キッチンの電気容量不足です。新築やリフォームでキッチンが新しくなると、料理が楽しくなり、家電製品が一気に増える傾向があります。いくらたくさんのコンセントが取り付けてあっても、1つの回路内で、圧力炊飯器、大型レンジなど消費電力が大きなものを同時に使えば、その部分の小ブレーカーは落ちやすくなります。
どこでどんな家電を使うか、配線の見直しでブレーカーは落ちなくなる
コンセントの数と位置を計画する際には、単純にコンセントを増設したり、分電盤の容量を増やしたりするだけでは、あまり意味がありません。どこでどんな家電製品を使うか、同時に使う可能性は無いかなど、毎日の暮らしの様子を再確認し、それに合わせて配線を見直すことが肝心です。まずは必要なコンセントの数を確認し、次に、1つの回路に消費電力が大きなものが集中しないよう、回路を分けて配線しなおしてもらいましょう。また全体の容量が足りなければ分電盤の容量を上げる方法もあります。ただし分電盤の容量を上げると、基本料金が上がります。事前に確認をしておきましょう。
ここにあったら便利なコンセントの場所-ベスト20
では実際にリフォームした人が、ここに増設したら便利だった!という場所、見逃しがちな位置をご紹介します。ガイドがよく遭遇したケースをベスト20としてまとめましたので、新築する方も忘れものが無いよう、ご参考にして頂ければと思います。リストは、順位ではなく部位別にご紹介しています。1)玄関ドアの外側すぐ脇
⇒ クリスマスツリーやイルミネーション用としてよかった
2)玄関カウンター上、廊下のニッチの中
⇒ 装飾用ランプ、リースのイルミネーションなどが置けた
3)洗面所の収納内部
充電式髭剃り・電動歯ブラシ用として便利だった
4)洗面所やトイレの中の床近く
⇒ 冬場の小さな暖房器具用として便利だった
5)洗面所の天井近く
⇒ 壁付けタイプの扇風機用として
6)掃除機を入れる収納の内部
⇒ 充電タイプの掃除機を収納内部で充電できてよかった
7)オーディオやパソコン周辺
⇒ 通常の2倍の量を付けておいたので機器が増えても心配無かった
8)キッチンシンク上、吊り戸棚の下部
⇒ ハンドミキサー等に。水が掛からずコードが作業の邪魔にならない
9)ダイニングテーブルの高さに合わせて
⇒ ホットプレート、卓上電気鍋に使っている
10)ミニカウンターを作って充電場を作った
⇒ デジカメ、子機、携帯電話用の専用スペースを作った

掃除ロボットのホームベース用は忘れずに付けておきたい。
11)掃除ロボット用として
⇒ 掃除ロボットのホームベース用として準備した
12)寝室のベッドの枕元周辺
⇒ 小さなスタンド用、スマホや携帯の充電用、充電式懐中電灯用
13)寝室のベッドの足元周辺
⇒ 電気毛布用、布団乾燥機用、加湿器用
14)階段の踊り場
⇒ 掃除機のコードが届かない範囲が無くなった
15)LDの境目の床面に床出し専用のタイプを
⇒ 部屋の中心に置きたいフロアスタンドや電気式の暖房器具用に便利
16)リビングの間接照明用として
⇒ フロアスタンド用として位置を合わせて作った
17)家の中のコンセントの位置を高くした
⇒ 犬がコード類をかじらないように
⇒ 腰痛持ちなので掃除機のコンセントの抜き差しが楽に
18)ベランダや庭
⇒ 照明、電気式芝刈り機用
19)車庫の中もしくは駐車場脇
⇒ 車内掃除用、充電式掃除機ではパワーが足りない
⇒ 日曜大工で電動工具を使う時に便利
⇒ 電気自動車用に準備など
20)庭
⇒ 電動芝刈り機用に屋外用コンセントを作った
コンセントの増設と移動は内装リフォームの時に忘れずに行う

新築でもリフォームでも、コンセントが充実していると、暮らしは格段に便利に。
壁紙の張替えリフォームや、間仕切り壁の移動の時に一緒に行えば、二度手間を防ぐことができ、壁の中にキレイに納まります。
新築でもリフォームでも、コンセントが充実していると、暮らしは格段に便利になります。使いたい時にすぐに使えるように、付け忘れが無いよう、じっくり計画していきましょう。
また足元だけでなく手元に付けたり、床に付けたり、もっと便利に暮らせる位置や高さの工夫は、下記でご紹介していますのであわせてご覧下さい。
位置が決まったら、カバーのデザインにもこだわってみましょう。建築家御用達のアルミ製の新金属プレートやアメリカンスイッチなど、人気のスイッチ・コンセントカバーを下記でご紹介しています。
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